弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第770回
サーバーのデータ消失の責任は?

ホームページを持っている会社や個人は、
普通、レンタルサーバーを借りて、
データをサーバーの中に置いておきます。

みなさんも、報道でご存知かもしれませんが、
ヤフーの子会社のファーストサーバという会社が
サーバー内のデータを消去してしまいました。

ファーストサーバにサーバー管理上のミス(過失)があれば、
普通は、消失したデータの回復費用、
サーバーが使えない、即ち、ホームページやメール、
インターネットを使用できないことによる
損害の賠償請求をすることができます。

売上が毎日一定額あるのに、データが消失して、
ホームページを使えないというのであれば、
復旧するまでの期間の売上も請求できる可能性があります。

しかし、ファーストサーバの約款では、
データのバックアップを取っていないことや
サービスを使えなかったことによる損害については
責任を負わない、と書いてあるようです。

また、賠償額は支払った料金を上限とする、
という規定になっているようです。

IT関連のサービスでは、
このように賠償額を法律の規定よりも
限定している場合が多いです。

その理由は、IT関連の取引では、
ちょっとのミスで大きな損害を発生させやすい
ということがあります。

したがって、損害賠償責任を負うとすれば、
IT関連企業のリスクが高くて
サービスを提供できなくなってしまうということがあります。

それでも、IT関連企業がサービスを提供し、
リスクを負うとすれば、
万一の事故を起きないようにするために、
インフラにお金をかけ、
また万一の事故が起きた場合の損害賠償に備えて、
利用料をかなり高くするなどしないとならなくなってしまいます。

そこで、安価にIT関連のサービスを受けられることを考えると
やむを得ない面もあります。

これまでIT関連企業の立場が強く、
有利な契約でも契約することができた
ということも挙げられると思います。

以上のようにIT関連企業との契約は、
IT関連企業が有利になっている場合も多いです。
だから、契約をするときはリスクを踏まえる必要があります。

ただ、会社や事業としてでなく、
個人で契約する場合は、消費者契約法という
消費者保護の法律があるので、
相手に有利な契約でも無効として保護される可能性があります。


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2012年8月16日(木)

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