第42回
Yahoo!オークションで騙されない為に!
クロームハーツ編 中編

前回の話からの続きになります。
バンコックで目にした偽物ロレックスに痺れてしまった筆者は、
さっそく3000円(註1)にて偽ロレックスを購入。
帰国後(註2)それを詳細にチェックしました。

筆者が購入した偽ロレックスは
通称「サブマリーナ・ノンデイト」と呼ばれるもので、
日付無し、ノンクロノメーターのタイプです。

まず、驚いたのは、ムーブメントが自動巻(註3)になっていること。
以前に見た偽ロレックスはクォーツだったので
一見して偽物だと分かったのですが、これならバレません。

さらにムーブメントを詳細に見てみると、
現在の「サブマリーナ・ノンデイト」のムーブメントは
ハイビート(註4)と呼ばれる仕様です。
以前のロービートに比べると精度はアップしましたが、
3年〜5年でオーバーホールに出さなくてはならない
という弱点(註5)があります。
一方、その偽ロレックスに搭載されているのは、
旧型ロービートのムーブメントでした。
もちろんムーブメント自体も偽物で粗っぽい作りです。
しかし、時間を計測してみると、
なんとこれが本物に負けず劣らず正確なのです!(註6)。
しかも、偽物のロービートムーブメントは、
オーバーホールの期間も10年以上とほぼメンテナンスフリー!
「むむむ、偽物の方が良いのでは……?」

さらに、外見をジックリ見てみると、
以前の偽ロレックスは真鍮に銀メッキだったのですが、
本物同様のステンレスに変更されています(註7)。
ベルトのブレス部分にある王冠印の型押しも
かなりクッキリと浮かび上がっていますし、
リューズ部分のブランドマークもキッチリと浮き出ています。
ベゼルを回転させてみると、ちゃんと逆回転防止ベゼルになっています。
そして、裏蓋には型番を表すグリーンのシールが。
うーん、感動っす……。

もちろん、マニアックに見ていくと、本物と異なっている点は沢山ありました。
例えば、ダイアルのロゴの色が微妙に違うとか、
リューズがねじ込まれ過ぎとか。
ベルトの厚みが薄いとか、風防がミネラルガラスで出来てるとか。
しかし、これらは素人が見ても分からないレベルですし、
なによりコイツは本物の100分の1というコストで作られているのです。

筆者は偽物の方に職人魂を感じてしまいました!

で、友人の「クロームハーツ」の件は?(笑)


註1: 屋台のオヤジの言い値は(日本円換算で)5000円程度でした。
しかし、翌日帰国予定の為タイバーツを使い切っていた筆者は、
日本円の1000円札×3枚でこれを購入しました。

註2: 帰国時の税関で発見されると没収されます。
ただし、それ以外に罰金等はありません。
筆者は腕にして帰国しました(笑)。

註3: クォーツ等の電池式ではなく、
内部のローターが振動することによってゼンマイを巻き上げるシステム。
いわゆるオートマチック時計。
メンテナンスフリーだが、クォーツに比べると精度が著しく低いのが難点。

註4: 秒間8振動、時間/28800振動

註5: ロレックス社はこのように推奨しているが、必須というワケではない。

註6: 日差は計測不可能ですが、
月差で見ると、月平均+−1分で両者同じでした。
ちなみにこの偽ムーブメントですが、なんと国産でした(笑)。

註7: ロレックスのオイスターケースはステンレスSUS316L、
偽物は304Lなので、厳密には同じでは無い。
しかし、両方とも同じステンレス。


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2002年12月1日(日)

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