12月11日(水)
晴れ、風力3以下
最高気温1℃、最低気温−9℃
外は寒いですが、家の中はスチームのお陰でポカポカです

第18回
オリンピック・万博特需に浮かれるな!

先週、2010年の万博の開催地が上海に決定しました。
2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博と、
今後10年間の中国の経済発展は保証された様なものです。
中国は、東京オリンピックと大阪万博を控えた
1960年代の日本に益々似てきました。

今後、オリンピック特需、万博特需を当て込んで、
更に多くの日本企業が中国に進出してくるものと思われますが、
どうしても国内で作れないものや、
日本の製品が圧倒的な競争力を持っている分野以外は、
売り込みはなかなか難しいのでは無いかと思います。

どこの国でもそうですが、
中国は特に自国製品優先の傾向が強いです。
例えば、中国には「西気東輸」というプロジェクトがあります。
これは、中国西部の油田で発生した天然ガス(西の気)を
上海に送る(東に輸送)為、
約4,000kmのパイプラインを敷設する、
という壮大なプロジェクトです。
4,000kmのパイプラインというと、
ものすごい量の鋼管需要が発生するのですが、
そのほとんどは中国国内の製鉄会社で
生産する鋼管で十分対応でき、
日本などの外国から輸入しなければならないのは、
パイプラインが曲がっている、
特に強度を必要とする部分だけである、との事です。

いくら価格が安くて競争力があっても、
極力外国製品は買いたくない、というのが、
中国政府の本音です。
外国製品を輸入すれば、外貨の流出を招きますし、
せっかくの国家プロジェクトは
国内の経済発展に役立てたいと思うのは、
至極当然の発想です。

逆に、そのプロジェクトに不可欠なのに、
中国企業には作れないものに就いては、
値段が高くても外国企業から買わざるを得ません。
当然の事ではありますが、中国への進出に当たっては、
自社の製品が中国で作られているのか、
その価格、品質はどうなのか、
中国の買い手はその価格、品質で満足しているのか、
などの事柄を事前に十分調査しておく必要があります。

では、自社の製品が中国国内でも生産されているものだった場合、
どの様にすれば、北京オリンピックや上海万博の恩恵に
与る事が出来るのでしょうか。
それは中国国内の会社でオリンピックや万博の恩恵に
与ると思われる会社の株を買う事です。
どの銘柄がオリンピック・万博銘柄かですか? 
それは東洋証券の深堀マネージャーに訊いてください。


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