12月9日(月)
晴れ、風力3以下
最高気温0℃、最低気温−9℃
とうとう昼間の最高気温が0℃になってしまいました

第17回
サービスは真似されやすい

先週は「日本のサービス精神、サービス業のノウハウは、
中国でまだまだ生かせる」という点で、
期せずして「もしもしQさんQさんです」との
シンクロ企画の様になってしまいました。
邱さんと前もって打ち合わせをした訳ではないのですが、
偶然にも同じ時期に2人の人が同じ事を言っている、
という事は、そういう時期、
つまり、日本人がサービス精神を武器に
中国で市場を開拓する時期が来ている、
という事なのでしょう。

しかし、サービス業のノウハウというのは
真似されやすい事は覚悟しておかなければなりません。
ホンダ(HONDA)のオートバイを1台買ってきて、分解、研究し、
それと全く同じオートバイを作って
宏達(HONGDA)という名前で売り出す様な国です。
技術的なブラックボックスを
比較的作り易い製造業でさえこれですから、
1度体験すれば、
そのノウハウの全てが分かってしまうサービス業など、
「サービスが良くて流行っている」という噂が流れれば、
すぐに真似されてしまいます。

例えば、私の会社で
「日式高級搬家(りーしーがおじーばんじゃー、日本式高級引越)」
の業務を始めたとしても、
「高級搬家は需要がたくさんあるし、利幅も大きい」という事が
「低級搬家」の業者に知れてしまえば、
彼らは翌日から従業員の教育を始め、
こぞって「高級搬家」市場になだれ込み、
競争が激しくなった結果、利幅の小さい、
つまらない商売になってしまいます。

十分な先行者利益が取れた後で、価格競争になるなら、
それはそれで良いのですが、
継続的に儲けたいならば、「さすが本家」と言われる様に、
新しいサービスを投入し続けるか、
後発が絶対に真似の出来ないサービスを開発するしかありません。
何しろ値下げ競争に巻き込まれるのだけは、
避けなければなりません。

我々日本人から見れば、
中国のサービス業界にはいくらでもチャンスがある様に見えます。
しかし、参入に当たっては、
如何に後発が真似の出来ないサービスを開発するか、
又、真似をされた場合でも、
十分な利益を得るだけの勝算はあるか、
などに就いて、良く考えておく必要があると思います。


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