第31回
中国人はなぜ公衆道徳を守らないか?

中国の人は我々日本人から見ると、公衆道徳がなってません。
路上にゴミは捨てる、痰を吐く、列に割り込む、
歩いていてすれ違う時にぶつかりそうになっても道を譲らない、
トイレの大の方の時ドアを閉めない、
禁煙の場所でもタバコを吸う、公共の場所で大声で騒ぐ、等々、
挙げ始めたらきりがありません。

正にやりたい放題、という感じですが、
なぜ中国の人が公衆道徳を守らないか、というと、
一つは守っても1銭の得にもならないから、
もう一つは外側の世界などどうなっても良いからです。

中国の人は利害に非常に敏感です。
もし、トイレでドアを閉めずに大の方をしている所を見つかると
罰金を徴収される、という法律が出来れば、
みんなちゃんとドアを閉めてやります。
実際、万里の長城等の観光地では「罰金おばさん」が
観光客の挙動に目を光らせており、道に痰を吐こうものなら、
ダッシュで駆け寄ってきて罰金を徴収します。
中国の人達に公衆道徳を守らせる為には、
教育では無く、罰金が最も有効な手段です。

これは中国で従業員を雇う際にも有効です。
精神論を振りかざすのではなく、
これが出来たらボーナス幾ら、これが出来なかったら罰金幾ら、
と予め決めておけば、従業員は罰金を避け、
ボーナスをもらう為に、一生懸命働きます。

もう一つは、中国人は外側の世界と内側の世界の区別が激しい、
という事です。
自分の身内、同郷、同窓、友達には、礼を尽くして対応しますが、
その他の外側の世界の人達はどうでも良い、と考えます。
又、自分の家の中はきれいにしておきたいですが、
外の道路が幾ら汚くなろうが関係ない、と考えます。
我々日本人にもそうした意識はあると思いますが、
中国の人はその区別が特に激しいです。

ビジネスの世界でも、他の国以上に
血縁、地縁、人脈がものを言うのも、
こうした考え方に基づいています。
中国で現地のパートナーと事業を進める場合、
パートナーが自分を内側の人間と見ているか、
外側の人間と見ているかは、
事業の今後を占う上で非常に重要なファクターとなります。


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