第42回
「中国語翻訳事業」

「中国語翻訳事業」も是非、試してみたかった事業の1つです。
ITバブルがはじける前の2000年頃、
丸紅北京支店でも「IT懸賞論文」なるものの募集がありました。
「ITを利用して全く新しい中国ビジネスを発掘する」
というコンセプトの下で募集されたものでした。
私はこれに「中国語翻訳事業」の論文で応募し、
優秀賞として3,000元(45,000円)をもらいました。

論文の主旨は「日本企業は中国の安い労働力を利用する為に、
中国に続々と工場を建設しているが、
今後は、第三次産業でも中国の安い労働力を利用すべきである。
現状、中国の翻訳会社の翻訳料金は日本の1/4だが、
翻訳の質は玉石混交である。
優秀な翻訳会社数社と提携して、
最終的なネイティブチェックを当社で行う事により、
質の高い中国語翻訳を日本の相場の1/2で提供すれば、
多くの顧客を獲得出来るのではないか」というものでした。

これは日頃から考えていた事で、
今から考えてみればITでも何でもないのですが、
「翻訳文をe-mailでやり取りするのだから、一応ITだろう」
という事で応募してみました。

実際、現在でも日本の翻訳会社は日本人、
又は日本に在住している中国人の翻訳者を使っています。
普通に考えれば、150円の昼ご飯を食べている人と
600円の昼ご飯を食べている人が、同じ翻訳能力を持っていれば、
当然150円の人の方が、翻訳コストが安くなるのですが、
中国にはまともな翻訳会社が少なく、
無茶苦茶な翻訳を手直しするぐらいなら、
最初から日本の信用出来る翻訳者に任せた方が良い、
という事なのでしょう。

中国の翻訳会社は翻訳の仕事を受けると、
登録している何人かの翻訳者に割り振り、
上がってきた翻訳文をつなげて
ノーチェックで納品する所がほとんどです。
ですから、1つの文章なのに、「です・ます調」と
「だ・である調」が混ざっていたり、
翻訳者によって同じ単語の訳し方が違っていたりします。


←前回記事へ 2003年2月5日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ