第43回
なぜ中国語翻訳の中国への流出が起こらないか?

中国の翻訳会社に翻訳を頼むと、
何人かの翻訳者の翻訳をそのままつなげて出してくるだけですので、
「です・ます調」と「だ・である調」が混ざっていたり、
同じ単語の訳し方が違っていたりします。

それをうまくコーディネイトして、
翻訳文の質を保証するのが翻訳会社の仕事だと思うのですが、
だいたいが、翻訳会社の担当者自身が
全く日本語が分からない場合がほとんどですので、
こちらがクレームするとおろおろして
「私は分からないので、翻訳者さんと直接話してください」
となってしまいます。

翻訳コストの面から言えば、第二次産業と同様、
日本の中国語翻訳者は全員淘汰されても仕方ない、
ぐらいの状況にあるのですが、
中国の翻訳会社がこんな体たらくですので、
仕事の中国への流出が止まっている、という感じです。

これを丸紅が翻訳のチェックをする事により、翻訳の質を保証し、
相場の1/2で請け負えば、需要はあるはずです。
丸紅は中国でより良い翻訳会社、翻訳者を探す事により、
自身のチェック作業の負担をどんどん軽くする事が出来ます。
丸紅では人材派遣関係の子会社である丸紅パーソネルサポートが、
既に翻訳事業を始めていましたので、
ここが人材派遣のネットワークを使って
低料金を武器に営業を行えば、
多くの顧客を獲得出来ると考えておりました。

しかし、懸賞論文で優秀賞は取ったものの、
事業の規模が小さすぎ、正に丸紅の間尺に合わなかった為、
その後、話は全く進まず、立ち消えになってしまいました。
丸紅の間尺には合わずとも、自分が作った個人企業ならば、
十分食っていけるぐらいの利益は生めるはずだ、と考え、
会社を作ったらこの「中国語翻訳事業」も
市場に受け入れられるか試してみたいと思っていました。

現在、私の会社では中国語の翻訳を、中→日、日→中共に、
ネイティブチェック込みで、
仕上がり400字当たり2,500円で引き受けています。
この価格は、懸賞論文の内容通り、
日本の翻訳会社の約1/2の水準を実現しています。


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