第48回
今後の課題:上海進出

開業の場所としては、北京を選びました。
「中国駐在員事務所代行サービス」というサービスの性格上、
私が中国に留まる事は必須でした。

日本企業の中国ビジネス、中国進出なら
どうして上海で開業しないのか、という質問をよく頂きますが、
上海は出張で数回行った事があるだけ、土地の事情も全く分からず、
友人もいない場所で1から開業する勇気は
さすがにありませんでした。

又、丸紅北京支店時代に、
丸紅の中国全体の鉄鋼原料ビジネスを全て北京でコントロールし、
地方の取引先との商談や検品も北京からの出張で
問題無く対応出来ていた事から、
北京から中国全土のビジネスをカバーする自信はありました。

しかし、先日、北京で邱さんとお話しさせて頂いた際に、
邱さんから「その仕事なら、上海でやれば、
北京の3-4倍の需要があるはずだ。
北京で根っこが生えてしまう前に、
腰を軽くして上海に行った方が良い。
北京の様な小さなマーケットを相手にしていても、
ある程度の成功は見込めるかもしれないが、
やはり大きな成功を望むなら
マーケットの大きい所に行かなければだめだ」
とのご指摘を頂きました。

確かにおっしゃる通りです。
腰を軽くして、お金の集まる所に人間も行くべきだ、
というのが、いつも邱さんが主張されている事です。
時代を見通す力があっても、それを実現させる行動力、
フットワークの軽さが伴わないと、事業は成功しないんですね。
しかし、実際は、結婚したり、子供がいたり、家を買ったりと、
年を取るに連れて、腰が重くなる要素が増えるのが現実です。

そういった観点から見ると、私の場合は偶然ではありますが、
根っこが生えかけているのが、
日本では無く少なくとも中国だったのは、
幸いだったかもしれません。

邱さんの言葉通りすぐ上海に、という訳には行きませんが、
今後、北京での事業が自分が居なくても
回っていく様な体制を早急に確立し、
なるべく早い時期に上海進出を図りたい、
との思いを新たに致しました。


←前回記事へ 2003年2月19日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ