第68回
快適!自転車10分通勤

私が郊外の中国人用マンションから
市街地の外国人用マンションに引っ越した理由の一つに、
渋滞が激しくなってきた事があります。

私は以前、北京市の北東の郊外、
四環路と五環路の間にある「望京新城」という
ニュータウンにマンションを借りていました。
ここからオフィスがある三環路沿いの幸福大厦まで
タクシーで通っていました。
距離にして約7km、
道が空いている時なら15分程で着くのですが、
朝夕の出退勤時間は渋滞の為、
時には30分も掛かる事がありました。

だいたいが「毎日タクシーで30分通勤」という事自体、
東京の通勤事情を考えれば非常に恵まれた状態です。
新宿からタクシーで7kmと言えば
世田谷区上北沢ぐらいでしょうか。
上北沢に130平方メートルのマンションを借りて、
毎日、新宿のオフィスまでタクシーで通っていたら、
普通、家賃と通勤費だけで給料が無くなってしまいます。

しかし、その時既に北京生活を6年半もしていた私は、
脳の「贅沢」と感じる部分がマヒしてしまっていた様で、
「通勤に30分も掛かるなんて許せない」と考え、
オフィスから自転車で10分ほどの所に引っ越しました。
距離にして約1.5km、歩いても20分ほどで行けます。

引っ越してすぐ、
私は近所の家楽福(じゃーるぁふー、カルフール)に行き、
家楽福で一番高い700元(10,500円)のマウンテンバイクを買い、
翌日から嬉嬉として自転車通勤を始めました。

北京の自転車通勤は快適です。
もちろん渋滞はありませんし、
だいたいどの道にも自転車専用レーンがあるので、
車道を走って車に轢かれそうになったり、
障害物だらけの歩道を走らなくても済みます。

北京の冬は厳しく、
一番寒い時はマイナス15度ぐらいになりますので、
冬の自転車通勤はちょっと厳しいですが、
時間的には10分ほどですので、
防寒をちゃんとしておけば、我慢のできる範囲内です。

私が住んでいる外国人用マンションでは、
多くの人がベンツやBMWでオフィスに通っています。
そうした高級車で渋滞の中、30分掛けて通勤するより、
自転車10分通勤の方が本当は贅沢なのかもしれません。


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