第104回
「4泊5日、北京健康の旅」

中国医学の大夫が作ってくれる処方箋は、同じ症状の人でも、
その人の体質によって調合する材料や量が変わってくるそうです。
故に、オーダーメイドの漢方薬は、
仮に同じ症状の人がいたとしても、
本人以外の人に飲ませるべきではありません。
私がいつも診てもらっている大夫に言わせると
「漢方薬というのは、その人の体の状態や体質を
全て分かった上で処方すべきであり、
誰でも勝手な判断で買えてしまう
「市販の漢方薬」というのはあるべきではない」との事です。

こんなすばらしく奥の深い中国医学ですが、
これをそのまま日本に持って行く事は出来ません。
人は中国で勉強した人が日本で開業すれば良いのですが、
漢方薬の材料が日本では全て揃わないそうです。
いつも大夫に書いてもらう処方箋には、
10-20種類の漢方薬の材料が列記されているのですが、
だいたい半分ぐらいは日本の薬事法に抵触する為、
日本に輸出出来ないのだそうです。

この問題を解決するには、
中国医学の大夫に診てもらいたい日本人に
中国に来てもらうしかありません。
中国に来たらまず、中国医学の大夫に診てもらいます。
そこで漢方薬の処方箋を作ってもらい、薬局に持ち込みます。
後は、オーダーメイドの漢方薬が出来るまで、
観光したり、おいしいものを食べたり、
マッサージをしたり、針・灸をしたりして過ごすのです。
日本国内で販売する目的ではなく、
個人で服用する分量の範囲内ならば、
漢方薬を合法的に日本に持って帰る事が出来る様ですので、
本場中国の材料をふんだんに使った漢方薬を飲む事が出来ます。

以前私は、中国医学の余りのすごさに感動し、
これを是非日本の人達にも体験してもらいたいと思いました。
しかし、漢方薬の材料が
半分ぐらいしか日本に輸出出来ない事が分かり、
日本の人達に中国に来てもらうしかない、と考え、
中国の旅行会社の友人にお願いして、
「4泊5日、北京健康の旅」というツアーを企画してもらいました。


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