第141回
空車のタクシーが無い!

先日、上海に1週間程出張してきました。
今年の上海は記録的な猛暑で、
9月に入っても30℃を超す蒸し暑い日が続いていました。
朝晩は既に涼しくなり、
初秋のカラッとした天気が続く北京から行った私は、
その蒸し暑さにうんざりしてしまいました。

更にその「うんざり」を加速させたのが、
空車のタクシーの少なさです。
時間帯や曜日にもよりますが、空車のタクシーが走っている率は、
ざっと見た感じ、北京の1/10ぐらいかと思います。
タクシーに乗りたかったら、ホテルやオフィスビルなど、
人がタクシーを下りやすい場所で待ち伏せして、
前の客がお金を払っている間に、
ドアを開けて乗り込まなければなりません。
行儀良くホテルやオフィスビル前の列に並んでいる様では、
いつまで経ってもタクシーを捕まえる事は出来ません。

実際、私も今回の出張で、
炎天下30分以上タクシーが捕まらなかった事が何度かあり、
気が狂うかと思いました。
東京ならば、タクシーが捕まらなければ、地下鉄があります。
東京の都心なら、1kmぐらい歩く事を覚悟すれば、
必ず地下鉄に乗る事が出来ます。
しかし、上海にはまだ地下鉄が3本しか走っていません。
よっぽど運が良くなければ、
現在地から歩いていける距離に地下鉄の駅があり、
且つ、目的地に歩いていける距離にも地下鉄の駅がある、
という幸運に恵まれる事はありません。

この空車タクシーの無さ加減は、ビジネスにも支障を来します。
今の上海では、客先とのアポイントがある際に、
どのぐらいの時間を見て出発すればよいか全く読めません。
確かに北京でも渋滞がひどくなって来ましたので、
渋滞に巻き込まれても良い様に、
早めにオフィスを出たりしますが、
上海ではまず、タクシーをいつ捕まえられるか分からない、
というリスクがあり、更に渋滞のリスクが加わります。
今回の出張でも、5km程離れた客先に行くのに、
1時間も前にオフィスを出なければなりませんでした。

この時は幸い、空車のタクシーもすぐに見つかり、
渋滞も然程激しくありませんでしたので、
アポイントの時間に遅れる事はありませんでしたが、
今の上海で時間に遅れない様に目的地に到達する為には、
かなりの時間のロスを覚悟しなければなりません。


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