第142回
上海のタクシー会社は大儲け!?

上海で空車のタクシーが極端に少なくなったのは、
地元の人達によれば、SARS沈静化以降の事らしいです。
確かに、以前、上海に出張した時には、
タクシーで不便な思いをした事はありませんでした。

では、SARS沈静化以降、
どうして空車のタクシーの数がこんなに極端に減ったのか、
地元の人達に訊いてみた所、
みんな異口同音に「タクシー自体の数は減っていないのだが、
みんなお金持ちになってタクシーに乗る人が増えた為、
空車のタクシーが減っている」と答えます。
しかし、そんなに急に金持ちが増えるとも思えません。

もしかしたら、SARSが流行していた時期は、
「人がたくさん集まる場所は危ない」という事で
地下鉄やバスが敬遠され、タクシーを利用する人が増えましたが、
その時にタクシーの便利さに味を占めた一般大衆が、
SARS沈静化以降もタクシーを利用し続けているのかもしれません。

又は、今年の上海の記録的な猛暑により、
「ええぃ、ちょっと高いけど暑くて死にそうだから、
タクシー乗っちゃえ」という人が増えているのかもしれません。
どちらにしても、タクシーは今まで一般大衆にとっては
高嶺の花だったのですが、
それが空車が無くなる程乗車率が上がる、という事は、
地元の人達が言っている「お金持ちが増えた」というのも
当たらずとも遠からず、なのかもしれません。

上海のタクシーはなぜか
「桑塔納(さんたなー、フォルクスワーゲンサンタナ)」ばかりで、
値段も1km2元(30円)と高いです。
北京の様に
1km1.6元(24円)や1.2元(18円)のタクシーはありません。
更に、浦東国際空港や外高橋保税区等、
ビジネスユースで片道のタクシー代が
100元(1,500円)を超える所がありますので、
元々上海のタクシー会社の収益率はかなり良いはずです。
そこにこれだけの乗車率ならば、大儲けなのではないでしょうか。

中国株に興味のある皆さんで、
「上海のタクシー会社」と聞けば、
上海B株の「大衆交通」を思い浮かべられる方が
多いかと思います。
現在、同社の株価は他の上海B株同様低迷している様ですが、
上海の猛烈な残暑の中、
30分以上も空車のタクシーを捜し歩いてみると、
同社株は有望かな、と思うと同時に、
株主になって経営陣に対し
「即刻、新車のタクシーを大量に投入しなさい!」
と指示したい衝動に駆られます。


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