第148回
セールスマンの給料分、安くしてくれ!

私は昔から車にしても何にしても、
セールスマンから物を買うのが大嫌いです。
セールスマンから車を買って、
「ありがとうございます」などと言われると、
非常に腹が立ちます。

私が買いたいのは車本体の機能だけなのに、
支払うお金の中には車本体の機能の値段に加えて、
セールスマンの彼の給料になる部分もプラスされているのです。
何で、俺がお前の給料、一部負担してやらなきゃならんのだ。
車を買いたい時には、自分で車屋さんに行って選ぶから、
その代わりセールスマンの給料分、安くしてくれ!と思います。

企業にしても、セールスマンを1人雇う余裕があったら、
より良い製品を作る為の技術者を1人雇う方が
有意義なんじゃないのか、と思います。

セールスマンに価値があるとすれば、
それは、今まで知らなかった
その商品の用途や機能を気付かせてくれる事や、
その商品を使う事によって、今の生活がこんなに改善される、
という提案をしてくれる事ぐらいですが、
これも別に、生身の人間にしゃべってもらわなくても良い話で、
紙の媒体でも出来ない事ではありません。

そんな私でも、豫園の漢方薬茶屋のセールスには感心しました。
彼らのスタンスは「豫園の中を歩き回られてお疲れでしょう。
座ってお茶でもどうですか。
休憩されている時間をちょっと頂いて、
漢方薬茶の説明をさせて頂きます。
気に入ったら買ってください」というものです。
商品の魅力は説明するが、買う事を強要する事が全く無い。
すばらしいセールスだと思いました。

私はセールス活動を全て否定している訳ではありません。
潜在顧客に自社の商品がある事を知らせ、
その商品の良い所を理解してもらう事は必要な事です。
ただ、欲しがっていない人の時間を
無理矢理奪う様なセールスはいかんと思うのです。

最近、中国でも広告メール、電話セールス、
オフィスへの訪問販売が増えてきました。
どこのオフィスでも入口に
(しぇじゅえとぅいしゃお、セールスお断り)」
の張り紙がしてありますが、
セールスマンはみんなお構いなしで
ズカズカとオフィスに入ってきます。

電話セールスも会社名を言うと、
セールスの電話だと見切られて切られてしまうので、
最近は政府機関を騙って
「朝陽区人民政府ですが...」などと言ってかかってきたりします。
区の人民政府から電話がかかってきたら、
取り敢えずみんな話を聞きますわな。
しかし、ちょっと緊張して話を聞いていると、
実は、文房具のセールスだったりします。
朝陽区人民政府が文房具の販売なんかやるか!
これは悪質、というよりほとんど犯罪です。

競争が激しくなってきている中で、
何とか顧客を獲得しようとみんな必死なのは分かるのですが、
話を聞いても「○○要りますか?」という様な単純なセールスで、
お世辞にも効率が良いとは言えません。
そうした皆さんに、豫園の漢方薬茶屋のすばらしいセールスを
見習って欲しいものです。


←前回記事へ 2003年10月10日(金) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ