第171回
快適!北京自転車生活

私は現在、自転車で通勤しています。
家からオフィスまでドアトゥードアで約10分。
東京の通勤事情と比べたら、正に極楽です。

「中国」というと、
自転車の大群を思い浮かべる方が多いかと思いますが、
昔に比べると北京の自転車通勤率は下がっています。
郊外にマンションを買って、
そこからマイカーで通勤するのが、
北京のホワイトカラーのちょっとしたステータスになっている、
というのも自転車通勤が減った原因の1つではないでしょうか。

しかし、最近は個人で車を運転する人が増え過ぎて、
朝夕の通勤時間はひどい渋滞が発生しています。
多額のローンを抱えてやっとの事で
マイホームとマイカーを買ったのに、
渋滞のせいで1時間も1時間半もかけて通勤している
北京のホワイトカラーの生活は、
お世辞にも上質とは言えません。
会社の近くの賃貸マンションから、
自転車で10分とか、15分で通っていた頃の方が、
生活の質は高かったのではないでしょうか。

北京は中国の他の都市と比べて土地が平らなので、
オートバイを買う必要は無く、自転車で十分です。
また、道幅が広いので、
ほとんどの道に自転車専用レーンが設けられています。
自動車の様に渋滞する事もありませんし、
北京の自転車生活は非常に快適です。

しかし、問題もあります。
それは、自転車ドロボーが多い事です。
斯く言う私も、先月、
自転車を連続して3台も盗まれてしまいました。
それもオフィスがある幸福大厦の駐輪場でです。
もちろん、自転車はワイヤーロックで
駐輪場の柱に括りつけてあったにも関わらずです。

確かに駐輪場には管理人がおらず、
入口には「ここで自転車を盗まれても、
幸福大厦としては責任を持ちません。
それでも良ければ駐輪してください」と書いてあるのですが、
3回も連続して盗まれる、というのは異常です。

さすがに頭に来たので、幸福大厦に対し猛烈に抗議した所、
自転車を買った時の領収書も何も無いのに、
お詫びとして500元(7,500円)をくれると同時に、
外から鍵のかかる「柳田先生専用駐輪場」を用意してくれました。
猛烈に怒って抗議すると対応が良くなる、というのは、
この国の良い所でもあり、悪い所でもあります。

お陰様で4台目の自転車は、まだ盗まれておらず無事です。


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