第173回
「1億総ネガティブ」対「13億総ポジティブ」

先日、久しぶりに日本に出張して来ました。
毎日、ボリュームがオフとマックスしか
付いていない様な人たちと一緒にいるせいか、
日本に行くと大声でしゃべっている人が少なく
「なんか、みんな、元気ないなぁ」と思ってしまいます。

本屋に行っても「年収300万円時代を生き抜く」とか、
「年金は大丈夫か」とか、
なんとなく元気のない題名の本が並んでいます。
「年収3,000万円左うちわ日記」とか、
「濡れ手に粟で年金要らず」とか、
なんかそういう景気のいい題名の本、出ませんかね。

日本から出張で来た方が、
「北京の人たちはみんな表情が明るくていいですね。
日本なんかみんな下向いて歩いてますよ」
と言っておられましたが、本当にこの勢いの差は顕著です。
中国人の様にマックスボリュームでしゃべれとは言いませんが、
おとなしくしていると運気も逃げて行く様な気がします。
カラ元気でも良いので、
元気に振舞う事から始めたらどうでしょうか。

日本もバブルの時は勢いがありました。
善し悪しは別にして、
普通のサラリーマンでも夜中まで飲み歩いて、
タクシーで家まで帰ってました。
お陰で新入社員の私の仕事は、
銀座中走り回ってお客様の為に
空車のタクシーを見つける事でした。
しかし、今の夜の東京はどこにいっても
空車のタクシーが列を成しています。

現在、日本は不景気で、失業率は5%を超え、
サラリーマンの給料もバブルの時に比べると
10%程度下がっていると言います。
しかし、ポジティブな言い方をすれば、
働きたいと思っている人の94%以上が職に就いており、
その収入もバブル時の90%が確保されている、という事です。
更に、デフレで物価は下がっていますので、
実質の賃下げ率はもっと小さいはずです。
これはまだまだ非常に恵まれた状況、
と言えるのではないでしょうか。

にも関わらず、
この「1億総ネガティブ」みたいな雰囲気はなんなんでしょう。
中国では将来が不安、どころか、
明日食べるものが無い人がたくさんいます。
それでもみんなしぶとく、楽しく生きています。
日本よりずっと貧しいのに、
「13億総ポジティブ」的な雰囲気がみなぎっています。

いざとなれば、人間、どうやっても生きていけるものです。
そう考えて、元気に、ポジティブに生きて行く事によって、
運気も良くなっていくのではないかと思うのです。


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