第175回
北京防犯事情

見栄え、と言えば、北京のマンションの窓は、
どこの家でも鉄格子がはまっており、非常に見栄えが悪いです。
住んでいる人も牢屋の中で暮らしている様で、
余り気分の良いものではないと思います。
しかし、これも防犯の為ですから仕方がありません。

玄関の扉も1つだけでは心許ないので、
鉄製の扉をわざわざ買ってきて、玄関の扉の外に装着します。
この鉄製の扉は「防盗門(ふぁんだおめん)」と呼ばれ、
街の建材屋さんで手に入れる事が出来ます。

北京のマンションのベランダは、ほとんどがガラス窓で覆われ、
サンルームの様になっています。
これは、洗濯物を外に干すと
空気が悪い為真っ黒になってしまう、とか、
北京の冬は厳しいので、二重窓の役割を果たす、
とかいう事もありますが、
ドロボーがベランダから進入する事を防ぐ為の
防犯の意味もあるかと思います。

これだけしていても、ドロボーはあの手この手で襲ってきます。
日本の様に女性が夜道を一人で歩く、
なんて言うのはもってのほかです。
男性の私でも、人気の無い夜道を一人で歩く時は緊張します。
北京に住む日本人の間では、
夜、外出する時には、短い距離でも必ずタクシーに乗る、
というのが自分の身を守る為の常識になっています。

タクシーを降りてからも油断は出来ません。
警備員のいる様な高級マンションは安心ですが、
普通のマンションだと、
強盗が階段の踊り場に潜んでいる事があるからです。
この為、階段の入口にも
鍵付きの門が付いているマンションが人気です。
付いていない場合は、タクシーの運転手にいくらか渡して、
家のドアまで付いて来てもらう人もいる様です。

これから旧正月にかけて、
北京の治安は悪くなる、と言われています。
これは、「外地(わいでぃー、北京以外の場所)」から
出てきたドロボーが、旧正月前にたんまり稼いで、
旧正月にはお土産を買って田舎に帰るから、だそうです。
そんなお土産、盗んだ金じゃなくて、
自分で働いて稼いだ金で買ってくれ!
と思います。


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