第176回
防犯先進国、中国

中国では一般市民の防犯意識が非常に高く、
考え得る全ての対策を打っている様に見えますが、
それでも、やはりドロボーは盗みに入りますし、
強盗は人を襲います。
こんな防犯対策がほぼ完璧な国、中国にいるドロボーが
日本に行けば、その「盗んでください」と言わんばかりの
無防備さに驚く事でしょう。
最近、日本では中国人のドロボーが増えている様ですが、
こうして両国の防犯事情を見比べれば、
増えるべくして増えている、と言えそうです。

歴史的に見て、日本は昔から治安が良く、
中国は昔から治安が悪かった、という事は、
両国の建築様式を見ればすぐに分かります。
日本の一戸建ての家の生垣は、
外から見えない様に覆いをするだけのものであって、
ドロボーは容易に庭に入り込む事が出来ます。
一方の北京の伝統的な建築様式である「四合院」では、
家は高い壁で守られています。

「日本人は水と安全はタダだと思っている」
という時代は終わりを告げ、
今の日本では検挙率の低下と治安の悪化が懸念されています。
日本では治安の悪化により、
なかなか開けにくい鍵などの防犯用品が良く売れている、
と聞いていますが、
中国の防犯事情から見れば、日本の防犯はまだまだ隙だらけです。

更に、日本の警察のやさしさも問題です。
日本で盗みを働く中国人のドロボーは
「日本の警察は殴らないし、
刑務所も快適なので捕まっても怖くない」と言っているそうです。
中国の警察は犯罪者に対しては殴り放題らしいですし、
盗んだ額が大きかったり、相手が外国人だったりした場合は、
すぐに死刑になってしまいます。
中国ではこの警察や刑罰の厳しさが、
犯罪を踏み止まらせる抑止力になっている事は確かです。
日本も治安の悪化に伴い、
犯罪者の刑罰を重くする事を
真剣に検討する段階に来たのではないでしょうか。

不名誉な事ではありますが、
昔から治安が悪く犯罪が多い中国は防犯先進国です。
日本が防犯先進国である中国に学ぶ事はたくさんあります。
ビジネスの観点から見れば、
「防盗門」など中国の安くて効果的な防犯用品を日本で販売したり、
中国の徹底的な防犯の方法を日本人にレクチャーする、
というのも一つのビジネスチャンスになるのではないかと思います。


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