第193回
「宴会」の重要性

中国でビジネスをするに当たって、
中国企業の人たちとの「宴会」は重要な位置を占めます。
中国の「宴会」というと、
アルコール度数が50何度の白酒(ばいじょう)で、
何回も乾杯(かんぺい)しなければならず大変だ、
というイメージをお持ちかもしれませんが、
北京や上海といった大都市では、
もうこういうスタイルの宴会はほとんどありません。

地方都市でも白酒で乾杯、乾杯は初めの時だけで、
何回も会って
お互い「老朋友(らおぽんよう)」と呼べる様な間柄になれば、
「宴会」はもっとずっと落ち着いたものになります。

中国側が白酒で乾杯、乾杯をする意図は2つあります。
1つは遠来のお客様をもてなす為には、
たくさん食べて、たくさん飲んで頂く必要があるからです。
これが中国式の「礼節」であり、
礼節を尽くす事により接待する側の「面子」も保たれます。

もう1つは、一緒に酒を飲む事によって、
お互いに素の自分をさらけ出し、仲良くしたいからです。
会議室では仕事の話しかしませんので、
相手がどんな人間性の持ち主か分かりません。
酒を飲んで、自分の人間性を相手にさらけ出す事によって、
「私は丸腰であなたとお付き合いするつもりですよ」
という意思表示をする訳です。

ですから、「宴会」は相手の人間性を確かめ、
「これからこの人とビジネスをやって行けるのか」
という確認をする場でもあります。
そんな席で下品な話をしたり、
日中戦争の話を持ち出して、相手に議論を吹っかけたりする事は、
自らビジネスのチャンスを潰す事になります。
ま、それがその人の「人間性」なのですから、
「身から出た錆」と言ってしまえばそれまでなのですが...。

白酒を言われるままに乾杯して、
酔いつぶれてしまうのもいけません。
アメリカでは「自分の体重もコントロール出来ない人間に、
部下をコントロール出来る訳がない」という事で
デブは出世出来ない事になっていますが、
中国では「自分の酒量もコントロール出来ない人間に、
仕事をコントロール出来る訳がない」という事で、
酔い潰れる人とはビジネスをしない事になっています。
中国の「宴会」のあの雰囲気の中で、
乾杯を断るのは大変勇気のいる事ですが、
もうこれ以上飲んだらダメだ、と思ったら、
「我已喝多了
(うぉーいーじんはーどーら、もう飲みすぎました)」
と言ってお断りしましょう。


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