第232回
「いつかは高級日本料理屋で寿司定食」

こうした付加価値の高い仕事をする、
高収入の人が増えてくるに従って、
北京でもお金を使う場所が増えてきました。
日系企業の駐在員でさえ、
自腹ではちょっと高くて腰が引けてしまう様な
高級レストランが、連日、金持ち中国人で満席、
なんていうケースも出て来ました。

一方で、北京には月210元(3,150円)の失業保険で
暮らしている人もいます。
家さえ何とかなれば、自由市場で肉と野菜を買って来て、
何とか食って行ける、という金額です。

同じ北京市内でも、貧富の差は日本の比ではありません。
この街のすごい所は、
先日画像だよりでご紹介した「高級マンションと貧民屈」の様に、
ものすごいお金持ちと
ものすごい貧乏人が隣り合わせに住んでいて、
その両方の消費に対応している所です。

ですから、北京で生活していて感じるのは、
肉や野菜、衣類など、基本的な生活物資は安く手に入るのですが、
おいしい日本料理を食べたりとか、
腕の良い美容師がいる店で髪を切ったりとか、
ちょっと贅沢しようとすると、
値段が幾何級数的に跳ね上がる、という事です。

例えば、お昼ご飯。
私は普段、オフィスの裏の大衆中華料理屋で
10元(150円)ちょっとで食べているのですが、
お客様と一緒だったりで、
高級ホテルの中の日本料理屋で
寿司定食を食べたりすると
150元(2,250円)ぐらいかかってしまいます。

散髪もそうです。
私はいつもカット、シャンプー、ブローに
30分の上半身マッサージが付いて
25元(375円)の所に行っているのですが、
有名な美容師さんがいる店では、
カットだけで200元(3,000円)以上取る所もある様です。

こうした高級な店にお金持ちがたくさん入っている、
という事実は、
この街でこれからお金持ちになろうとしている若者たちにとって、
良い刺激になるのではないでしょうか。
「いつかは高級日本料理屋で寿司定食を食べられる様になりたい」
「いつかは有名美容師に髪を切ってもらえる様になりたい」
という気持ちが、若者たちのハングリー精神に火を点け、
将来、あまたのチャイニーズドリームを
生んでいくのではないでしょうか。


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