第261回
北京人VS上海人

北京人と上海人は非常に仲が悪いです。
その仲の悪さは、
東京人と大阪人の仲の悪さをはるかに上回ります。
北京は政治の中心、上海は経済の中心として、
お互い、自分の街が中国の中心だと思っているので、
どうしても対立する事になるのでしょう。

北京人に言わせると、上海人は「金の亡者」だと言います。
何でも金、金、金。
金の為には、プライドも何もかなぐり捨てるその態度は、
面子を重んじる北京人の目から見れば非常に蔑むべきものです。
また、信義を重んじる北京人からすれば、
「金の為なら平気で人を騙す上海人は信用ならない」
と言います。

更に、豪胆さを信条とする北京の男性は、
家事をそつなくこなす上海の男性を
「女々しい」とバカにします。
以前、北京の女性を対象としたアンケートで、
理想の結婚相手No.1が、
「家事をよくやってくれるから」という理由で、
上海の男性だった事も、
北京の男性の嫉妬心に
油を注ぐ結果になってしまっている様です。

上海人に言わせれば、北京は「大いなる田舎」です。
経済も上海ほど発展していないし、
オフィスビルやマンションの建設も
上海より5年は遅れているし、
街を歩く人のファッションも
上海ほど垢抜けていないし。
確かに、上海に比べれば、北京は田舎です。

にもかかわらず、
北京人は北京が首都で、中央政府がある、というだけで、
中国の中心は北京であり、上海など1地方都市に過ぎない、
と考えている。
上海の経済発展も、
北京がコントロールしている、と思っている。
上海人から見れば、北京人は
「田舎者のくせに、偉そうに」という事になります。

北京では「石を投げれば、官僚に当たる」と言われています。
確かに、国家機関の本省や、大きな国有企業の本社は、
全て北京にありますので、
官僚の数は圧倒的に多いものと思われます。
その官僚たちが、経済的な実力も無いくせに、
国家権力を振りかざして、偉そうにしているのが、
上海人からすれば
「可笑(かしゃお、笑っちゃうね)」という感じらしいです。

こんなですので、
北京人を上海で営業させたり、
上海人を北京で営業させたりしても、
絶対に物は売れません。
そんな事をするなら、日本人を営業に行かせた方が、
まだましかもしれません。

大阪の企業を回る東京人の営業担当者は
えらく苦労するらしいですが、
北京人と上海人の関係はもっと険悪です。
やはり、北京での営業は北京人に、
上海での営業は上海人に任せるのが良さそうです。


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