第275回
参入障壁の高いサービス

当社はヤマト運輸の海外引越の
北京・華北地区代理店をしていますが、
運送サービスの一環として、
引越とは別に、独自で
「海外ハンドキャリーサービス」というのを始めました。
この「海外ハンドキャリーサービス」というのは、
大急ぎで海外に送らなければならない書類や商品サンプルなどを、
人が持って飛行機に乗って届ける、というものです。

日本にはハンドキャリーサービスだけを
生業としている会社がいくつもありますが、
中国では聞いた事がありません。
中国人には外国のビザがそう簡単には下りませんので、
需要はあっても、商売として成り立たないのでしょう。
当社には私を含めて、日本人の社員が4人いますので、
取り敢えずは、急な依頼でも誰かがすぐに外国に飛ぶ事が出来ます。

中国ビジネスのいやな所は、
斬新で新しい商品やサービスを売り出しても、
売れているという情報を聞きつけると、
すぐにたくさんの中国企業がうじゃうじゃと参入してきて、
競争が激しくなり、利益率が落ちて、
全くおもしろみのない商売になってしまう、という所です。

こうした事態を防ぐ為には、
中国企業が簡単にまねの出来ない様な、
参入障壁の高い商品やサービスを
慎重に選んだ上で、売り出さなければなりません。
この「海外ハンドキャリーサービス」は、
中国人のビザの問題で、
中国企業にはなかなかまねが出来ないでしょうから、
比較的参入障壁の高いサービス、
と言えるのではないでしょうか。

そんな大急ぎの書類や荷物が頻繁にあるとは思えませんが、
現状、こうしたサービスを提供している会社が
中国では見当たらない事、
中国企業にはなかなかまねの出来ないサービスである事、
などを考え合わせると、
意外とおもしろいビジネスかもしれません。

という事で、早速、第1弾、受注致しました。
北京で生産された機械部品のサンプルを、
デンマークのコペンハーゲン、
中国語で言うと丹麦(だんまい)の
哥本哈根(がーべんはーげん)に運ぶ、という仕事です。
今回、新たなビジネスの第1弾、という事で、
私、柳田、自らコペンハーゲンに行って参りました。


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