第284回
「百家(みんな)楽しい百家楽」

中国の人たちはギャンブルが大好きです。
もちろん、法律では認められていませんので、
彼らは、仲間内で賭けトランプをやったり、
保険や株式を一種のギャンブルとみなして楽しんでいますが、
この国でギャンブルを解禁したら、
自己破産者が続出して大変な事になるのではないか、
と思わせるぐらい、みんなギャンブルが大好きです。

そのギャンブル好きの「血」は、
マカオのカジノに行くとよく分かります。
欧米のカジノは洗練されていて、
盛装した紳士、淑女が、カクテルを傾けながら
静かにギャンブルを楽しむ、という感じですが、
マカオのカジノは、普段着のおっちゃんが、
目を血走らせ、絶叫しながら、
全人生を賭けて賭博をしている、という感じです。

特に、「百家楽(ばいじゃーるぁ、バカラ)」は
たくさんの人が2つのチームのどちらかに賭け、
一番多く賭けた人がチームの代表者としてカードをめくる、
というギャンブルですので、
どちらかの代表者がカードをめくる際には、
両チームの人たちが絶叫します。

味方チームの人たちは出て欲しい数を連呼し、
相手チームの人たちは
「ご〜ん、ご〜ん、ご〜ん
(どうも広東語で絵札(0)が出て、負けてしまえ、
という意味らしい)」と叫びます。

勝負がつくと、勝ったチームからは歓声が上がり、
負けたチームからはため息が漏れます。
1勝負は2-3分で終わるのですが、
勝負の度にみんな異常な盛り上がりを見せ、
正に「百家(みんな)楽しい百家楽」という感じです。

こんなものが大陸のあちこちに出来たら、
昼間から働かないでカジノ通いをするろくでなしが大量に発生し、
自己破産、家庭崩壊、金銭トラブルによる殺人などが、
急激に増えそうです。

以前、西部大開発を加速する為に、
中国政府が新疆ウイグル自治区のウルムチに、
政府公認のカジノ特区を作る、という話がありました。
しかし、そんなものが実現すれば、
中国全土からギャンブル好きのろくでなしが
ウルムチに集まって来て、
活気は出るのでしょうが、
えらく治安の悪い街になってしまいそうです。


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