第294回
住宅ローンで極貧生活

今、中国では、車やマンションなど高額商品の消費が
ものすごい勢いで伸びていますが、
いくら景気が良くて人々の収入が増えている、と言っても、
そんなものを簡単にポンポン買える程には増えていない、
と思うのです。

例えば、北京の郊外に
100m2、2LDKのマンションを買ったとします。
四環路周辺の新築マンションの単価は、
6,000元(90,000円)/m2程度が相場ですので、
マンションの価格は60万元(900万円)。

これを頭金なし、固定金利年利6%、20年ローンで買って、
毎月均等払いとした場合、毎月の支払い額は
(60万元+(60万元×6%×20年÷2))÷240ヶ月
=4,000元(60,000円)となります。

一方の収入の方は、比較的高給と言われる日系企業でも
手取りで月5,000元(75,000円)程度。
4,000元(60,000円)のローンを払ってしまうと、
1,000元(15,000円)しか残りません。
これではせっかく新築のきれいなマンションを買ったのに、
肝心の生活の方は、毎日、野菜炒めと饅頭で食いつなぐような、
極貧なものになってしまいます。

結婚していて、奥さんも日系企業で働いているとすれば、
世帯収入は月10,000元(150,000円)。
4,000元(60,000円)のローンを払っても、
まだ6,000元(90,000円)残りますので、
そこそこの生活は出来ます。

ただ、それでも収入に占める住宅ローン返済額の比率は40%。
日本ではこの比率が25%を超えると、
かなり返済が厳しくなる、と言われていますので、
まだまだ高率です。

比較的高給、と言われる日系企業で共働きしていても、
こういう状態ですので、中国企業に勤めていたら、
マイホームなど夢のまた夢です。

そこで誰もが考えるのが、収入をもっと増やす事なのですが、
一生懸命仕事をしたとしても、
給料がそんなにすぐに上がる事は期待出来ません。
となると、会社勤めからの収入の他に、
副業による新たな収入源を確保する、という事になります。

中国企業も日本企業と同じく、
会社の規則で副業を禁止している所が多いのですが、
会社に内緒で副業をしている人は多い様です。
それも、日本のサラリーマンの様に、
平日の夜や週末といった勤務時間外に、ではなく、
平日の昼間、勤務時間中に、という人が多い様です。


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