第298回
外資企業の最低資本金

中国で外国人の個人が起業するのは大変です。
その最大の難関は、
外資企業設立に当たっての最低資本金の高さです。

現状、北京で外国人が企業を設立しようと思ったら、
最も最低資本金が低いコンサルティング会社でも、
15万米ドル(約1,650万円)の資本金を
現金で払い込まなければなりません。
勤め人をしていて1,650万円もの現金を
即金で「ポン」と出せる個人は、
なかなかいないのではないでしょうか。

中には「資本金なんて所詮見せ金なんだから、
誰かから借りて払い込んで、
会社を設立したら全部引き出して返せばいい」
という人もいます。
日本では会社を設立する際に、
そうしている人も多いやに聞きます。

しかし、ここは中国です。
銀行に払い込んだ資本金は、
自分のお金なのにいちいち理由を書かないと
引き出せない様な国です。
実際、私はやった事がありませんので、
一度払い込んだ資本金をすぐに全額引き出す、
なんて事が出来るかどうかは分かりませんが、
最初からそういうリスクは冒さないに越した事はありません。

元々、なんで中国では外資企業設立の為の最低資本金が
こんなに高く設定されているかというと、
国内産業を保護する為と、
外資企業の管理をしやすくする為なのではないかと思います。
零細外資企業が無制限にわらわらと出来てしまうと、
中国資本の中小企業の経営を圧迫する可能性がありますし、
数が多いと工商局も管理をするのが大変です。

特に卸、小売業の
外資企業設立の為の最低資本金は、
卸で8,000万元(1億2,000万円)、
小売で5,000万元(7,500万円)と
非常に高額となっています。

中国としては、製造業の外資が中国に入って来てくれれば、
大量の雇用が生まれますし、
外国の先進技術の吸収も出来ますが、
卸、小売業では、そうしたメリットが余りありませんので、
中国経済に良い影響を及ぼす大企業だけ入って来てください、
という事かと思います。

という事で、現在、中国に進出している
外資の卸、小売業の会社は、
イトーヨーカ堂、カルフール、ウォルマートなど、
超大手に限られています。

中国は現在「世界の工場」から
「史上最大且つ最後の消費市場」への変貌を
遂げようとしています。
しかし、その大市場を目の前にして、
外国人である私たち日本人は、
1個人としてはどうする事も出来ない状況が続いていました。


←前回記事へ 2004年9月22日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ