第305回
「NHKのど自慢 in 北京」

中国語を習得する場合、
「発音」という最初の難関を越えてしまえば、
後は、単語の数を増やしていくだけで、
話せる内容はどんどん増えていきます。

単語の数を増やすには、
受験生の様に単語集で勉強しても良いのですが、
それでは余りにも無味乾燥ですので、
私は中国の歌を聞いたり歌ったりする事で
単語の数を増やす事をお薦めします。

中国語の歌は基本的に、
1つの音符が1つの漢字ですので、
1曲の中に日本語の歌よりも
はるかにたくさんの内容の歌詞を入れ込む事が出来ます。
歌詞の容量に余裕があるせいか、
日本語の歌と違って、
文法もきちんとしている事が多い為、
単語の数を増やすのと同時に、
中国語の文法や言い回しの勉強にもなります。

実際、私も中国語の歌の歌詞を覚えるようになってから、
随分単語の数が増えましたし、
言い回しも豊富になったと思います。

中国語の歌の効果は中国語の上達だけに止まりません。
中国企業との宴会などでも、
中国語の歌を歌うと、場が非常に和みます。
中国ではなぜかレストランの個室に
カラオケセットが置いてある事が多いのですが、
それで中国語の歌を歌うと
「柳田は日本人なのに、中国語の歌を歌った」
という事で、大変喜んでもらえます。
みんなが知っている歌だと、
一緒に合唱してくれたりします。

何を隠そう、私、柳田、2年前に北京で行われた
「NHKのど自慢 in 北京」に中国語の歌で出場しました。
日本から来たバンドの皆さんは、
日本の歌しか演奏出来ませんので、
私はチャゲ&飛鳥の「男と女」という歌を、
台湾の周華建(エミル・チョウ)という歌手がカバーした
(らんうぉーほぁんし、らんうぉーよう)」
という歌を歌わせて頂きました。

「NHKのど自慢 in 北京」は25組が出場、
内、約半分が中国の人たちだったのですが、
中国の人たちは全員、日本語で日本の歌を歌いました。
中には日本語がほとんど話せない人もいるのですが、
一生懸命日本語の歌詞を覚えてきて歌っていました。
日本人が中国語の歌を歌い、中国人が日本語の歌を歌う。
こんな小さな所から、
お互いの文化を尊重する空気が生まれるのではないか、
と、私は思うのです。

え、私、合格したか、ですか。
いえ、結局、鐘2つでした...。


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