第306回
C-POPを日本へ

中国語を勉強している人が中国語の歌を覚える場合、
一番最初に歌えるようになる歌はだいたい、
テレサ・テンの「月亮代表我的心
(ゆえりゃんだいびゃおうぉーだしん)」です。
この歌は簡単な単語が多く、
テンポもゆっくりですので、
中国語の歌入門には最適です。

これが歌えるようになると、
次はテレサ・テンの「我只在乎
(うぉーじーざいふーにー、時の流れに身をまかせ)」や、
周華建の「花心(ほぁしん、花)」など、
日本の歌を中国語に翻訳したものを覚えます。
やはり、聞きなれたメロディーの曲は、
覚え易いですし、覚えようという意欲も湧きます。

中国の歌には
日本の歌を中国語に翻訳したものがたくさんありますが、
中国のオリジナルの歌にも良い曲がたくさんあります。
中国でヒットした曲にはメロディーが美しいものが多いので、
日本語の歌詞を付けて日本の歌手が歌っても、
十分ヒットするのではないかと思うのですが、
そういう事をしようとしている人はいない様です。
誰も思い付かないのか、
何かの理由で出来ないのか分かりませんが、
もしかすると、これも一種の中国ビジネスの
ビジネスチャンスなのかもしれません。

「中国の歌」と言っても、
正確には、中国大陸の歌手の歌ではなく、
その多くは香港や台湾の歌手が北京語で歌った歌です。
日本ではわずかに王菲(フェイ・ウォン)、
張学友(ジャッキー・チュン)、
最近では台湾のSMAPと呼ばれている
F4などが知られている程度ですが、
他にもJ-POPならぬC-POPのスターはたくさんいます。

以前、香港のC-POPスターたちは、
広東語で歌を歌っていましたが、
最近はみんな北京語で歌う様になりました。
やはり、600万人の香港市場よりも、
13億人の中国大陸市場をターゲットとした方が
はるかに儲かるだろう、という思惑なのでしょう。

しかし、中国大陸はニセモノ王国。
北京ではC-POPスターたちの海賊版CDが
1枚10元(150円)で売られています。
それも地下道でこっそり、とかではなく、
街中のCD屋で公然と売られています。

更に、最近では、インターネットを使えば、
なぜか何曲でもただでダウンロード出来てしまいますので、
海賊版CDを売っているCD屋までもが、
存続の危機に瀕している、という状況です。

中国大陸はこんなですので、
もしかしたら香港のC-POPスターたちは、
13億中国大陸市場より、
600万香港市場を狙った方が
むしろ儲かるのかもしれません。


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