第320回
金メダルのご褒美

中国では、オリンピックに出場して、金メダルを獲ると、
一生遊んで暮らせるだけの報奨金がもらえると言います。
更に、聞いた話では、
超豪華な住居もご褒美としてもらえる様です。

北京に以前、ある日本の商社が投資した
高級マンションがありました。
この高級マンションは、
24時間体制のセキュリティーはもちろんの事、
プール、ジム、レストラン、マーケットなど、
全ての施設が完備しており、
日系の大企業の駐在員が多く住んでいました。

この高級マンションの中国側の合弁相手は体育局でした。
ある日、体育局からこの商社に
「この高級マンションを全て買い取りたい」
という話が来たそうです。
話を聞いてみれば、
2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲った選手を、
この高級マンションに住まわせる、との事です。

結局、この商社は体育局の申し入れを受け、
この高級マンションを売却。
住む場所を失った日本人家族たちは、
ちりぢりに北京市内の他の高級マンションに移り住み、
これによって、日本人を対象とした高級マンションが
どこもいっぱいになってしまい、
家賃の相場がかなり上がった、と言われています。

今まで、普通のレンガの家に住んでいた人たちが、
金メダリストになったとたんに、
高級マンションに住んで、一生遊んで暮らせる訳ですから、
そら、がんぱりますわな。

先日、うちの近所の朝陽公園の敷地内にある
「郡王府」という超高級レストランに行ってきました。
この「郡王府」、
昔の郡の役所をそっくりそのまま移設、
1つ1つの建物の内装をきれいにやり直して、
レストランの個室や、ホテルとして利用している、
という代物です。
池を中心とした広大な庭園は、
「すばらしい」の一言に尽きます。

レストランの人によれば、
2008年の北京オリンピックの金メダリストは、
この「郡王府」の中に住居を与えられる事が、
既に決まっているそうです。
ここに住める事を考えれば、
ちょっと無理してもがんばっちゃいそうです。

こうした中国の金メダリストの待遇を見たり聞いたりすると、
日本のスポーツ選手にも
もっと税金を使って良いような気がします。
オリンピックの金メダリストが、
テレビ番組の解説者をやって
何とか生計を立てているようじゃ、
いけないのではないでしょうか。

「民間に出来る事は民間に」が小泉改革のスローガンですが、
日中の金メダリストの待遇の差を見ると、
政府にしか出来ない事も
まだまだあるのではないかと思ってしまいます。


←前回記事へ 2004年11月12日(金) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ