第330回
中国の人たちの「大陸的おおらかさ」

北京の交通は相変わらず無茶苦茶です。

一番右側の車線からいきなり左折をする車があったり、
ノーブレーキで大通りに飛び出してくる自転車があったり、
事故を起こした車の運転手同士が
道をふさいだまま罵り合っているので、
後続の車が大渋滞していたり。

私は日本の運転免許証を持っていますので、
簡単な筆記試験を受ければ、
中国の運転免許を取る事が出来る様なのですが、
現状、「北京の街で車を運転しよう」
という気は、全く起こりません。

一方で、こんな無茶苦茶な北京の交通にも
学ぶべき所はあります。

例えば、高速道路の料金所で、
順番待ちの車が長蛇の列を成しているとします。
こんな時に、並んでいる車を追い越して、
一番前まで行って割り込もうとしても、
中国では、いとも簡単に割り込ませてくれます。
日本でそんな事をしたら、
みんな車間を5cmぐらいに詰めて、
絶対に割り込ませてくれません。

あとはクラクション。
中国の運転手はやたらとクラクションを鳴らします。
しかし、このクラクション、
日本の様に怒りの感情を込めたクラクションではなく、
「危ないよ。気を付けて」という、
「警笛」本来の意味で鳴らしています。
日本であれだけクラクションを
鳴らしまくって走ったら、
多分刺されます。

冷静になって考えてみれば、
料金所の列に車が1台割り込んだ所で、
自分の順番が来るのが10秒ぐらい
遅くなるだけの話です。
また、クラクションも本来、
怒りの感情を表現する為のものではありません。
そんなに急いでいるのなら、
もっと時間に余裕をもって出発すれば良いのです。

どうも最近の日本人は、
心に余裕が無くていけませんな。
車の運転の時に限らず、
日本人はこうした
中国の人たちの「大陸的おおらかさ」を、
大いに見習うべきなのではないでしょうか。


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