第384回
「中国本」

私は日本に行くと、必ず、本屋さんに寄ります。
本屋さんに行って、本の題名を見ると、
今、日本人が何に興味を持っているのか、
よく分かるからです。

最近のキーワードは、「韓国」、「北朝鮮」、
「個人情報保護」、「スキミング」、
「成果主義」、「年金」といった所でしょうか。

ちなみに、中国では本屋さんに行っても、
今、中国人が何に興味を持っているのかは、
分かりません。
だって、北京の大手書店、王府井書店のベストセラーが、
1位 中国共産党党内監督条例(試行)
2位 中国共産党党紀律処分条例
3位 中華人民共和国憲法
と、こんな感じなんですよ!

さて、一時期、日本の本屋さんに行くと、
中国関係の事を書いた、
いわゆる「中国本」が百花繚乱、
という感じだったのですが、
最近は「朝鮮半島コンビ」に押され気味の様です。

私も北京に駐在した当初は、
「中国の事をもっと勉強しなきゃいけない」と思って、
日本に帰る度に大量の「中国本」を買い込んだものです。

しかし、いろいろ読んでいると、
「中国はもうすぐ崩壊する!」とか、
「広東省の反乱をきっかけに内戦が起こり、
中国は6つの国に分裂する!」とか、
とんでもない内容のものが多いので、
しばらくすると、ばかばかしくなって
買うのをやめてしまいました。

断言しますが、中国はそう簡単に
崩壊したり、分裂したりしません!

そりゃ、出版不況が続く中、
センセーショナルな内容にして、
読者の注目を集めたい、
っていう気持ちは分かりますよ。
でも、何でもかんでも過激に書けばいい、
というものではないですよね。

私もこの「中国ビジネスのススメ」では、
むやみに読者の皆さんを煽る事なく、
「ありのままの、中国の本当の姿」を
日本の皆さんにお伝えできる様、
気を付けて書いていきたい、と考えています。


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