第385回
「人民元で大儲け!」

私は最近、いわゆる「中国本」を
ほとんど買わない様になってしまいましたが、
先日、日本に出張して本屋に行った際に、
「人民元で大儲け!」という、
えらく直接的なタイトルの本を発見、
思わず買ってしまいました。

この本は、上海で金融、法務、税務、不動産など
各分野で働く日本人が結成した、
「人民元資産投資研究会」という
研究グループメンバーの共著、
という形になっています。
この著者の中に、以前、
北京にいらっしゃった時に大変お世話になった、
リチャード法律事務所の高居さんと
弁護士の陳さんの名前があった事も、
この本を買う動機となりました。

各分野のプロがそれぞれの専門知識を持ち寄って、
「人民元の切り上げ」で
一儲けするにはどうしたら良いのか、
という研究をした結果、
上海の不動産への投資が最も確実で有利、
という結論に達した、
というのが、この本の内容です。

上海は中国最大の国際商業都市として、
今後も発展が見込め、
税制的にも他の中国の都市より有利である。
その上海の不動産に、
いまのうちに人民元建てで投資しておけば、
とりあえず家賃収入で
年率6-12%の利回りが得られるし、
人民元が切り上がった時には、
外貨換算の資産価値が上がるし、
更に、不動産が値上がれば、
キャピタルゲインも見込める、という事で、
トリプルで儲けるチャンスがある、との事です。

更に、外国からの不動産投資は、
会社への投資と同じ資本投資ですので、
元本はもちろん、
家賃収入などのインカムゲイン、
値上がり分のキャピタルゲインも
全て外貨にして海外に送金する事が可能ですので、
人民元がハードカレンシーでない事は問題になりません。

脚光を浴びる中国株も、一般の外国人が買えるのは
香港ドル建てか、米ドル建ての株であり、
人民元建てのA株は買えませんので、
人民元切り上げの恩恵を直接受ける事はできません。
そういう意味では、
確かに、中国の不動産への投資は、
人民元切り上げの恩恵を直接受ける為の、
唯一の投資方法かもしれません。


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