第399回
私の「起業バイブル」

人には、その後の人生に
大きな影響を与える本との出会い、
というものが必ずあると思います。

私も12年間勤めた丸紅を辞めて、
中国で起業をするに当たって、
大きな影響を受けた本が2冊あります。
この2冊は、言ってみれば、
私の「起業バイブル」です。

1冊は皆さんも良くご存知の
「金持ち父さん、貧乏父さん」です。

この本は、私が北京駐在6年目を迎え、
早晩、日本への帰国辞令が出るだろうが、
このままサラリーマン人生を続けていて良いのか、
と思い悩んでいる時期に、
ちょうど日本語版が出版され、
日本でブームになっていました。

この本の内容は簡単に言うと、
「金持ちになりたかったら、
自分が働いて稼ぐサラリーマンや自営業者ではダメで、
人やお金を自分の為に働かせる
ビジネスオーナーや投資家にならないといけませんよ」
というものです。

そう言われてみれば、至極当然の事なのですが、
それまで、自分の稼ぐ能力を高めて、
高い給料をもらう事ばかり考えていた私にとっては、
それは、非常に新鮮な考え方でした。

昔の日本企業の社員は、
歳をとって気力や体力が落ちても、
年功序列賃金体系に守られて、
給料は上がっていきました。
部長になってしまえば、自分があまり働かなくても、
部下が自分の給料を稼いできてくれたのです。

しかし、バブル崩壊後は、
不景気の長期化と、団塊の世代の高齢化により、
各社とも、成果主義の賃金体系を導入する様になりました。

成果主義の世界では、
歳をとって気力や体力が落ちれば、
給料も落ちていってしまいます。

「こりゃ、歳をとったらしんどいな」
と常々思っていた私にとって、
「自分が働くのではなく、
人やお金を自分の為に働かせる」という
「金持ち父さん、貧乏父さん」の考え方は、
非常に魅力的に映ったのでした。


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