第423回
「クールビズ」

最近、日本では、「クールビズ」と称して、
「ノーネクタイ、ノー上着」で仕事をする事を、
国を挙げて推奨しています。
これは、暑い夏の間は軽装で仕事をして、
冷房を緩め、電力の消費を抑える事によって、
地球温暖化に歯止めをかけよう、という事で、
環境省が推進している運動だそうです。

外から見ていると、
またぞろ茶番が始まった、という感じです。
そんな事言ったら、普段着出社が常識の中国なんて、
何十年も前からずーっと「クールビズ」です。
そのかわり、発電所でガンガン石炭焚いて、
ものすごい量の二酸化炭素排出してますけど...。

以前の中国では、スーツを着て、
ネクタイを締めているだけで、
日本人である事を見破られてしまいました。
中国の会社ではどこでもみんな、普段着で通勤して、
普段着で仕事をしていましたので、
スーツを着ている中国人なんていなかったのです。

それが、最近、異変が起こっています。
日本での流れとは逆に、
スーツを着て、ネクタイを締めて仕事をする
中国人の人が増えてきたのです。
ですので、スーツ姿で街を歩いている人がいても、
日本人だか、中国人だか分からなくなってきました。

なぜ、中国の人たちが
スーツを着て、ネクタイを締め始めたのか。
それは、仕事を進めるに当たって、
スーツとネクタイが必要になってきたからです。

以前の中国で国有企業に勤めていれば、
一度も人に頭を下げる事なく、
サラリーマン人生を全うする事が可能でした。
国有企業は独占企業ですので、
作ったモノは黙っていても売れていきますし、
営業をしてまわる必要もありませんでした。
故に、仕事をする時に、
スーツを着ようが、普段着でいようが、
もらえる給料は同じだったのです。

それが、改革開放政策により、
中国の経済界に競争原理が導入されると、
様相は一変しました。
買い手が複数の売り手の中から、
取引先を選べる様になったのです。

こうなると、同じ商品でも、
普段着を着て、鼻くそをほじりながら
「売ってやってもいいよ」と言っている
国有企業の従業員と、
ビシッとスーツを着て、資料の説明をしながら
「是非、当社の商品をお買い上げください」と言っている
個人企業のセールスマンがいたら、
後者から買いたくなるのが人情です。

中国人のビジネスマンがスーツを着て、
ネクタイを締める様になったのは、
中国ビジネスの競争の激化に伴い、
同業他社との競争に打ち勝つ必要に
迫られているからなのです。


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