第546回
日本が韓国に学ぶべきこと

ハンドキャリーのお仕事のお陰で、
私、今回、初めて韓国に行くことができました。

韓国に行った、と言っても、
仁川(インチョン)国際空港は、
ソウルの街からえらい遠く、
時間の関係で空港周辺のホテルに
1泊しただけでしたが、
それでも、本場の韓国焼肉を
たらふく食べることができ、大満足でした。

丸紅で中国関係の仕事をするようになってから、
私の興味はもっぱら中国に注がれ、
日本と中国の間にあるこの国には
正直、あまり関心がなかったのですが、
今回、仁川国際空港を見て、
日本が見習わなければならないのは、
もしかすると、中国ではなくて、
韓国かもしれない、という思いを強くしました。

トランジットのために仁川国際空港に下りて、
最初に私の目に飛び込んできたのは
「THE WORLD BEST AIR HUB
(世界で最も優れたハブ空港)」の文字。
2001年3月に開港して、
ちょうど5周年を迎えていた仁川国際空港は、
世界一の国際ハブ空港としての地位を
固めつつあったのです。

国際ハブ空港とは、
車輪の中心にあるハブのように、
世界各国からの航空路が
車輪のスポークの如く集中している
中継空港のことです。
仁川国際空港は成田空港の5倍の大きさを誇る、
世界最大の国際ハブ空港だそうです。

国際ハブ空港は、その国の経済に
大きな波及効果をもたらします。
直接、その国に用事がなくても、
たくさんの人や貨物がトランジット(乗り継ぎ)
することによって、おカネが落ちるからです。

これに対し、日本の成田空港の離着陸料は世界一高く、
仁川国際空港の3倍もするそうです。
これでは、国際ハブ空港どころか、
日本に用事があってしかたなく来る飛行機しか
離着陸しなくなってしまいます。

資源もない、国土も大きくない、人口も多くない。
ないないづくしの日本と韓国は、どうあがいても、
アメリカや中国にはなれません。

仁川国際空港の国際ハブ空港化、
釜山港の国際ハブ港化、
国を挙げてのIT化政策、英語教育ブーム。

こうした韓国の政策を見ていると、韓国政府は
「ないないづくしなら、ないないなりに、
どうすればこの国を強く豊かにできるのか」
ということを、よーく考えているように思います。

自国を弱小国だと認識すること。
日本の真の国際競争力強化は、
そこから始まるのではないでしょうか。


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2006年4月19日(水)

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