第557回
「優秀管理職人材派遣会社」

急速に合理的になりつつあり、
また、輸出型から内需型への
転換を迫られている中国ビジネス。

そんな中で今後、
情報と人脈よりも重要となってくると思われるのが、
優秀な人材の確保です。

中国が「世界の工場」だった時代は、
工場労働者を統括して、品質を管理する
優秀な中間管理職が数人いれば、
それで十分でした。
しかし、中国が
「地球上に残された最大且つ最後の巨大マーケット」
になりつつある今、
優秀な管理職人材が大量に必要となってきました。

なぜなら、生産ならば、1ヶ所の工場で
大量のモノを作ることができますが、
販売は、たくさんの店舗で、
少しずつ売っていかなければならないからです。

となると、今後、日本企業の
中国ビジネスをサポートする仕事としては、
「中国ビジネスコンサルタント」よりも、
「人材派遣会社」の方が有望、
ということになります。

こうした状況を見越してか、最近は、
中国にも日本の人材派遣会社が
何社も進出してきています。
また、中国資本の人材派遣会社も
たくさんあります。
ちなみに、当社の隣の会社も、
中国系の人材派遣会社です。

ただ、彼らがやっているのは、
集まった履歴書の中から、
企業が出した条件に合う人を選び、
企業がその人の面接をして、採用を決めると、
初任給の2.5-3.0ヶ月分の手数料を取るという、
いかにも芸のないやり方です。

当社も以前、人材派遣会社に
人を紹介してもらったことがありますが、
玉石混交状態で紹介されますので、
危うくとんでもない人を
採用してしまうところでした。
こんなことなら、
日本語雑誌や求人媒体に募集広告を載せて、
応募者をいちいち面接するのと同じですし、
その方が採用コストがケタ違いに安く済みます。

こんな状況ですので、今、中国で、
優秀な管理職人材のみを派遣する
「優秀管理職人材派遣会社」を始めたら、
大当たりするのではないでしょうか。

求職者は派遣会社による厳しい試験と面接に合格し、
みっちりと管理職研修を受けた上で、
「優秀」というお墨付きを得た人材だけが
顧客企業に派遣される。
これなら、顧客企業はよろこんで、
派遣料金や手数料を払うのではないでしょうか。

いっそのこと、当社でそういう事業を始めて、
一番優秀な人材は、派遣せずに自社で採用しちゃおうか。
そんなヨコシマなことを考えている今日この頃です。


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2006年5月15日(月)

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