第594回
癌が治る薬

中国の薬局で市販の薬を買うと、
適応症のところにごく普通に
「癌」と書いてあったりします。
「こんな何十元(何百円)の薬で癌が治ったら、
みんなこんなに苦労しないよ」と思うのですが、
中国のことなので「もしかして...」
という気もしてきます。

実際、邱さんや
「気がつけば、あなたもガン」の関根さんが
ご紹介をされている、
漢方ドリンク「天仙液」を飲んで
癌が治った人はたくさんいるようです。

こんないいものがあるんだったら、
日本で大々的に売り出せば、
日本から癌患者はいなくなるんじゃないか、
とも思うのですが、残念ながら、
この「天仙液」は日本の薬事法の規制により、
日本で販売することができないため、
並行輸入の形で患者さん個人が
取り寄せなければならないそうです。

「天仙液」に限らず、
多くの漢方薬は薬事法の規制により、
日本での販売が禁止されているのですが、
そうなると何が起こるか、というと、
いかがわしいニセモノを高値で売りつける
悪徳並行輸入代行業者が出てくるんですね。

厚生労働省は薬事法に基づき、
有効性と安全性が確認された薬のみ、
日本国内で販売してよいことにして、
日本の患者さんを危険な薬から守っています。
しかし、その一方で日本の患者さんを
すばらしい漢方薬から遠ざけるのと同時に、
悪質な並行輸入代行業者にだまされて、
危ない薬を高値で買わされる人を
増やしていることも、また事実であると思います。

中国の中医(ちょんいー、中国医学)や
中薬(ちょんやお、漢方薬)は、
体質を改善することによって、
人間の体が本来持っている力を利用して病を治す、
というコンセプトに基づいています。
このため、化学反応によって病気を治す
西洋医学に比べて、
どういう理屈で病気が治るのか
わかりにくいところがあります。

なんだかよくわからないけど、
こういう体質の人は、この薬草を飲んで、
体質をこう変えると、病気が治る、という、
中国四千年の経験の積み重ねなのです。

大麻は違法にするから
暴力団の資金源になるわけであって、
大麻を合法化して、タバコのように、
各自が自己責任で吸うようにしたほうが
よいのではないか、という議論があります。

これと同じで、中国の漢方薬も合法化して、
きちんと中国医学を勉強した
お医者さんが処方した漢方薬を販売し、
患者さんが各自自己責任で服用するようにすれば、
日本の病人は劇的に減るでしょうし、
悪質な並行輸入代行業者にだまされて、
危ない薬を高値で買わされる人も
いなくなるのではないでしょうか。


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2006年8月9日(水)

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