第637回
北京で病気になったらどうするか

北京は私が来た10年前に比べて、
本当に便利で住みやすい街になりました。
日本料理屋はたくさんあるし、
スーパーやコンビニもあるし、
マクドナルドやスターバックスもたくさんできたし。

昔の北京は本当に不便で不快な街でした。
このため、出張などで日本に行くと、
その物資の豊富さ、清潔さ、サービスレベルの高さに
感動したものでした。
しかし、最近は日本に行っても
あまり感動することがなくなり、
逆に、満員電車や物価の高さなど、
日本の嫌なところばかりが
目に付くようになってしまいました。

私が北京での生活に慣れてしまった、
というのもあるかと思いますが、
それだけ北京の生活レベルが上がって、
日本に近づきつつある、
ということも言えるかと思います。

ただ、いくら生活レベルが上がっても、
やはり不安なのは病気になったときのことです。

北京で外国人が病院に行くとすれば、
2種類の病院があります。
1つは、SOS、ユナイテッドファミリーなど
外資系の診療所。
もう1つは、中日友好病院や協和病院など
中国系大病院の外国人病棟です。

外資系の診療所は、明るく清潔で、
英語や日本語が通じるのですが、
ちょっとした風邪でも、
診察料が100米ドル前後と異常に高く、
また、高度な医療設備がないため、
大きな病気に対応できないことが難点です。

一方の中国系大病院の外国人病棟は、
診察料が外資系よりもはるかに安く、
医療設備が完備されているので、
大きな病気にも対応できるのですが、
失礼ながら、衛生面や医療レベルが
いまひとつ信用できない、という面があります。

日本でも最近、お医者さんが
患者やその家族の医療知識が乏しいのをよいことに、
かなりいいかげんな治療や処置をしていたことが、
次々と暴露されていますが、
それでも私は大きな病気にかかったら、
日本に帰って治したいです。

中国では給料が非常に安いため、
医者は憧れの職業どころか、
なり手がいなくて困っている、と言います。
こういう話を聞くだけでも、
ものすごく不安になってきます。

中国で起業したり、
中国で働いたりするに当たっては、
こうした医療の面でも、
それ相応の覚悟が必要となってくるのです。


←前回記事へ

2006年11月17日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ