第657回
2007年の中国ビジネス大予想!

新しい年を迎えて、
テレビや新聞では「今年の日本経済大予想!」
というような企画で、
識者が様々な予想をしているものと思いますが、
僭越ながら、私も今年の中国ビジネスは
どういう流れになるのかを
予想させて頂きたいと思います。

まずは、製造業。
2007年は中国の「世界の工場」から
「地球上に残された最大かつ
最後の巨大市場」へのシフトが、
更にはっきりとしてくることが予想されます。

労働コストと人民元がダブルで上昇し、
中国の生産基地としてのメリットが薄れていく反面、
全体的な所得水準の底上げにより、
底知れない需要の大きさが
その片鱗を見せていくのではないでしょうか。

今後は「中国でモノを売れる人」が世界で一番エライ、
という時代が来るのです。

とは言っても、「日本の製造業が復権して、
モノの流れが日本から中国への輸出に変わる」
という可能性はありません。
中国の生産コストが日本より高くなる、
なんてことはありえませんし、
中国は今ではほとんどのモノを
自分たちで作ることができます。

そう考えていくと、中国の輸入増加は、
中国国内で不足している資源や、
中国ではどうしても作れない超ハイテク製品に限られ、
巨大な中国市場に自社のモノを売り込みたい日本企業は、
やはり中国に進出して
「中国で作って、中国で売る」という
スタイルをとる必要があると思われます。

そして、サービス業。
2007年は中国のサービス業のマーケットが
さらに拡大、多様化することが予想されます。

この分野では、日本は一日の長がありますので、
日本人が中国で活躍できる舞台も
さらに増えるのではないでしょうか。
実際、毎月発表される中国日本商会の
新入会員企業を見ても、
製造業よりもサービス業企業の進出が
多くなっていることが見て取れます。

ただ、サービス業は製造業と違って、
人がお客さんに提供するサービスが
付加価値の源泉となりますので、
人材の質が業績に大きな影響を及ぼします。
ですので、よい人材を採用すること、
そして、その人材を育てることが、
非常に重要になってきます。

しかし、かと言って、
社長が社員1人1人を
育てるわけにもいきませんので、
今後は、そうした人材を教育・管理する
優秀な中間管理職の重要性が
更に増していくことが予想されます。

そして、中国の働く人たちは
「どんどん給料が上がっていく中間管理職」と
「いつまでも給料があがらない一般従業員」に
二極化していくのではないでしょうか。


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2007年1月3日(水)

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