第688回
「北風・アメリカ」と「太陽・中国」

先日まで、北京を舞台として行われていた、
北朝鮮の非核化問題を話し合う6カ国協議は、
北朝鮮が非核化を進める代わりに、
その他の国が重油を無償供与する、
ということで一応の決着を見ました。

今回の合意で最も株を上げたのは、
やはり議長国である中国です。
北朝鮮が追い詰められて暴発することなく、
最終的に合意に至ったのは、
中国の存在があったからなのではないか、
と思います。

中国はアメリカが圧政国家とかテロ支援国家と
名指しで批判しているスーダンやイランとも
親しくしています。
アメリカは当然、中国の外交姿勢を批判していますが、
もしかするとスーダンやイランが暴発せずにいるのは、
中国のおかげなのかもしれません。

アメリカと中国の外交姿勢の違いを見ていると、
どうしてもイソップ童話「北風と太陽」を
思い出してしまいます。

「世界に民主主義を広める」という信念の下、
力を以ってその国の政治体制を変えようとし、
抵抗する輩には武力行使も厭わないアメリカの外交に対し、
中国の外交は「その国にはその国の国情があるから」と言って、
ありのままのその国、すなわち、
その国の現政権と仲良くすることに重きを置いています。

それは裏を返せば
「中国にも中国の国情があるからほっといてくれ」
ということなのですが、
やはり、多くの発展途上国は
「北風・アメリカ」よりも「太陽・中国」と仲良くしたい、
と思うようです。

このまま行くと、ソ連の崩壊によって冷戦が終わり、
一人勝ち状態となったアメリカの一極支配は
15年足らずで終焉を迎え、
「先進国の親分・アメリカ」対
「発展途上国の親分・中国」という
二極化時代を迎えるのではないでしょうか。

ただ、ヨーロッパの先進各国は、中国とは仲が良く、
アメリカの一極支配に対しても内心、
こころよく思っていなかったりするようですので、
世界が単純に二極化する、とは限りません。

そんな中、日本には「世界の良心」として、
正しく、しかし、したたかに、
独自の外交姿勢を貫いて欲しい、と思います。


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2007年3月16日(金)

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