第708回
オリンピック関連ニセモノ対策の重要性

来年の北京オリンピックのチケット申し込みが
いよいよ始まりましたが、
やっぱりというか、案の定というか、
チケット予約のニセウェブサイトが出現しました。

ニセサイトを作ったのは福建省の3人組。
北京オリンピック組織委員会が
チケット購買サイトを立ち上げることを知った彼らは、
ドメイン名を購入した上で
ニセサイトを立ち上げて予約を募り、
10人から電話で問い合わせを受けたそうです。
しかし、このサイトは正規の予約受付前に摘発され、
警察はこの3人組を逮捕、
被害に遭った人はいなかった、とのことです。

いつも中国のこの手の話を聞くと
「それだけの機転とヤル気があれば、
まともな商売をしても
ちゃんと食っていけるんじゃないの」と思うのですが、
こういう人たちはどうしても
犯罪に手を染めてしまうんですなぁ。

そして、今後、絶対に問題となってくるのが、
オリンピックのニセチケットです。

前回もお話したように、
開幕式の一番高いチケットは
5,000元(75,000円)。
そしてその市場価格は、
オリンピックが近づくに従って、
どんどん上昇していくことが予想されますので、
100元(1,500円)のニセ札を作るより
かなり割の良い商売になります。

組織委員会のチケット業務センターでは、
ニセチケット防止のため、
チケットには電子チップを導入するとしていますが、
その電子チップがホンモノかどうかは、
素人では確認のしようがありません。

オリンピックが始まってから、
人から売ってもらったり、
ダフ屋から買ったチケットを持って
会場に入ろうとしたら入れなかった、
という人が出てくるのは必至です。

ちまたでは既に、
北京オリンピックのマスコット・福娃
(ふーわー、幸福をもたらす子供たち)の
ニセモノも出回っているようですし、
中国政府は今回のオリンピック開催に際し、
あらゆる方面でニセモノ対策に
頭を痛めることになりそうです。

今回のオリンピックで、中国は
「ニセモノ王国」の汚名を返上することができるのか、
はたまた全世界のみなさんに
「やっぱり中国は...」と言われてしまうのか。
オリンピック関連ニセモノ対策には、
中国の国家としてのメンツがかかっているのです。


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2007年5月2日(水)

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