第729回
38歳、既婚、修士修了、年収300万円

先日、HSBCとマスターカードが共同で、
中国の富裕層を対象にした消費動向調査を行いました。

この調査は年収25,000米ドルを超える人を
対象に行われました。
それによれば、中国富裕層の平均年齢は38歳、
大半が既婚男性で、
1/3が修士以上の学歴を持っている、とのことです。

25,000米ドルと言えば、日本円で約300万円。
年収300万円は日本では格差社会の代名詞ですが、
中国に来れば富裕層の仲間入りなのです。

注目すべきは富裕層の人たちの若さと学歴です。

現在38歳の人は1969年生まれ。
7歳の時に文化大革命が終わっていますので、
安定した社会の中で、
十分な教育を受けることができています。

そして1/3が修士以上の学歴を持っているという事実。
日本では大学院に進む、ということは、
高収入の職を得て金持ちになることは諦め、
大学教授や研究者など学術の道を
歩んでいくことを意味しますが、
中国ではアメリカ同様、
学歴が高ければ高いほど収入が多くなるのです。

今回の調査は北京市、上海市、広州市の
富裕層を対象に行われました。
2005年、これらの3都市で113万戸だった
年収25,000ドル以上の世帯は、
2015年には3倍以上の390万戸に
増加することが予想されているそうです。

そして、そうした富裕層が
レジャーやレクリエーションに払うおカネは、
2005年が69億米ドルだったのに対し、
2015年には8倍近い549億米ドルに
膨らむ見込みなのだそうです。

どんどん増える中国の富裕層の人たち。
私たち外国人が今後、
中国市場を開拓していくに当たっては、
こうした若くて学歴が高い富裕層の人たちの
琴線に触れるようなライフスタイルを提案し、
財布の紐をいかに緩ませるかが
ポイントとなるのです。


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2007年6月20日(水)

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