第731回
中国の年金問題

日本では今、
連日のように年金加入記録問題が
ニュースで報道されています。

安倍首相は「最後の1人まで解決するという
固い決意をもって最善を尽くす」と言っていますが、
早くも、払ったはずの年金保険料の記録が消えていた人や、
今までもらっていた年金が
実は少なかったことがわかった人が続出し、
何千万人もの納付者全員が納得する形で
問題が解決するとはとても思えません。

日本の年金はただでさえ少子高齢化で、
若い世代は払い損になると言われているのに、
払った年金保険料の記録まで消えてしまう、
ということになると、
誰も年金保険料を払う人が
いなくなってしまうのではないでしょうか。

だってこれって、
銀行で1,000万円分積立預金したら、
「銀行のコンピューターには
800万円分の記録しか残っていないので、
800万円しか払い戻せません」
って言われてるのと同じですよね。
そんな信用の置けない銀行におカネを預けるぐらいなら、
自分の家のタンスに積立預金した方がよっぽど安全です。

国民みんながそう考えるようになって、
年金保険料を払わなくなると、
現在の年金システムは崩壊してしまいます。
そして政府が年金制度を維持させるようとすれば、
消費税を増税して、それを原資とするしかなくなります。

この方式だと、現在のように
年金保険料の取りっぱぐれもありませんし、
世代間の不公平問題も解決できます。
実際、カナダやニュージーランドなど、
年金の財源を100%税金に求めている国も多いようです。

中国はつい最近まで社会主義国家でしたので、
定年退職後の年金は当然、
政府が国家の予算から支出しているものと
思われるかもしれませんが、
意外にも中国の年金は日本と同じ賦課方式、
即ち、国民が税金とは別に
年金保険料を納める方式が採られています。

中国で会社を経営するとわかるのですが、
中国人従業員を雇用したときに毎月支払う社会保険料も、
内訳を見るとその大部分が
養老保険(やんらおばおしぇん、年金)の保険料です。

しかし、中国は一人っ子政策のため、
日本よりもさらに激しい少子高齢化問題を抱えていますので、
早晩、年金原資の調達が大きな問題となることが予想されます。

実際、高齢者の多い地域では、
年金原資の問題が既に顕在化しており、
足りない分は税金が投入されているようです。

ただ、日本と違って、今の中国は
年金原資のために消費税など導入しようものなら、
すぐに暴動が起きてしまいます。

今までの中国政府のやり方から考えると、
年金原資が足りない分は、外国企業や外国人など、
おとなしくて取りやすい人からもっとたくさん取って、
その穴埋めをするんだろうなぁ、と私は思ってます。


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2007年6月25日(月)

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