第740回
中国で高まるインフレ圧力

前回、幸福大厦の食堂の定食が、
食材価格の高騰により25%も値上がりした、
というお話をしましたが、
実際、最近、北京のスーパーや市場の
肉や野菜の値段は、目に見えて上がっています。

中国では好景気の継続に加え、
貿易黒字の増大により、
市中に出回る人民元が増加し、
インフレ圧力が高まっています。

昨年までは市中にあふれる人民元は
不動産投資や株式投資に向かい、
一般庶民の生活には大きな影響はなかったのですが、
今年に入ってから食品を中心に
一般消費財の価格が上昇し、
消費者物価指数の伸び率は3月以降3ヶ月連続で
中国政府の年間抑制目標である3%を超えました。

特に中国の家庭料理で最もよく使う豚肉の価格は、
需要の増大や飼料であるトウモロコシ価格の高騰もあり、
昨年の2倍以上の高値となっています。
豚肉の値段が2倍以上になったら、
そりゃ幸福大厦の食堂も値上げしますわな。

こうした食品価格の上昇は、
低所得者層の生活を直撃します。
中国の中央銀行である中国人民銀行が
先日行った全国家庭アンケート調査によれば、
世帯月収2,000元(32,000円)以下の
低所得者層で物価高に対する不満が最も大きく、
この層の40%が「物価が高すぎて受け入れがたい」
という回答をしているそうです。

インフレによる物価高は、
一般庶民の生活を圧迫します。
生活がどんどん苦しくなることに対する不満は、
共産党政権に向けられます。
この不満がどんどん大きくなると、
ほんのささいなことがきっかけで
反政府暴動という形で爆発する可能性が高まります。
こうした反政府暴動が全国に広がれば、
共産党一党独裁体制の崩壊も
それほど非現実的な話ではありません。

インフレ対策は中国共産党にとって、
一党独裁体制を維持するための最重要政策なのです。


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2007年7月16日(月)

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