第757回
日本人生き残りのカギは「日本人の特質」にあり

日本の小学生は「ルールを守る」とか
「他の人と協力する」という点においては、
「何しろ勝つべし」という一匹狼の遺伝子を持った
中国の小学生よりはるかに優れています。

これは学校や家庭の教育がそういう方向である、
ということもあるのでしょうが、
長年の歴史の中で培われてきた、
「日本人の特質」と言えるのではないでしょうか。

日本経済がここまで発展したのは、
「契約はきちんと守る」とか、
「社内で協力しあって組織で動く」とか、
そういった「日本人の特質」が
大きく貢献したのではないかと思います。

ですから、ちょっと調子が悪くなったからと言って
外国のマネをするのはまちがいで、
今後も「日本人の特質」を生かした発展の仕方を
探っていくのが正しい道なのです。

中国には「中国人は1人1人は龍だが、
3人集まるとブタになる」という言い方があります。
逆に日本人は1人1人はブタでも、
3人集まると龍になる、と言われています。

日本は1人1人のブタを龍に育て上げて、
中国の龍に個人戦を挑むよりも、
3人集まって龍になり、
3人集まってブタになった中国に団体戦を挑む方が、
はるかに勝つ確率が高いのではないでしょうか。

私は中国で仕事をするに当たって常に
「中国の人たちにマネのできないことはなにか?」
ということを考えています。
中国の人たちがマネのできることをやると、
すぐにマネをされて、
果てしない価格競争の消耗戦に
巻き込まれてしまうからです。

「中国の人たちにマネのできないこと」を突き詰めていくと、
最終的には「日本人の特質」に行き着きます。
「サービス精神」、「生真面目さ」、「完璧主義」、
「ルールを守る」、「他の人と協力する」などなど。

中国の人たちが
「そこまでやらなくても、いいんじゃないの?」
と思うようなモノやサービスを提供することによって初めて、
日本人は中国人との差別化を図ることが可能となり、
ライバルのいないブルーオーシャンのマーケットで
高い利益率を享受することができるのです。

ザ・ワールド・イズ・フラット。
グローバリゼーションによりフラット化する世界の中では、
他の国の人でもできることをやっていると、
人件費の安い国の人たちとの
果てしない価格競争の消耗戦を強いられます。

そんな世界の中で今後日本人が生き残っていくためには、
「日本人の特質」をもう一度見つめ直し、
「他の国の人にはマネのできないことはなにか?」、
「日本人にしかできないことはなにか?」ということを、
常に考えていく必要があるのではないでしょうか。


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2007年8月24日(金)

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