第761回
「北京オリンピックで日の丸を振る」ということ

サッカーのアジアカップや、
男子サッカーU-22などでそうした暴挙に出ているのは
ほんの一握りの「エセ愛国者」の人たちだけで、
大部分の中国の人たちは、
日本に対して何の感情も持ち合わせていません。

しかし、オリンピックのチケットは、
抽選で誰でも買うことができますので、
そうした「エセ愛国者」の人たちが
オリンピックの会場に来ない、
という保証はありません。

先日、北京の日本大使公邸で、
日本オリンピック委員会(JOC)・竹田会長以下役員の方々と、
北京日本人会、中国日本商会、北京日本人学校、
日本大使館の関係者による
北京オリンピックに向けての「結団式」が行われました。

私も北京日本人会の代表として参加したのですが、
その席上JOCの方から「日の丸がたくさん見えると、
選手が奮い立つので、オリンピックのときには、
ぜひ、両手に日の丸を持って応援に来てほしい」
というお話がありました。

しかし、現状から考えると「日の丸を振る」ということは、
「ここに日本人がいますよー」と言っているようなものであり、
同じ会場に「エセ愛国者」の人たちがいれば
何をされるかわからないため大きなリスクを伴います。

「北京オリンピックで日の丸を振る」ということは、
結構、勇気のいることなのです。

「エセ愛国者」の人たちは、
自分の愛国心を満足させるために
そうした暴挙に出るのでしょうが、
その行為は、結果的には中国の国際的評価を低め、
国の発展の足をひっぱることはあっても、
国を利することなどひとつもありません。

中国政府には今後1年間でぜひ、
そうした短絡的な「エセ愛国者」の人たちに、
「国を愛する気持ちがあるなら、おとなしく観戦しろ!」
という教育を施してほしいものだと思います。


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2007年9月3日(月)

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