第765回
高級品に飢えている中国のお金持ち

物価が東京の1/4の北京で、
どうして同じ機種のエスプレッソマシンが
東京の倍以上の値段で売れるのか。

その理由は、中国では高級品市場がまだまだ未成熟で
競争らしい競争がないためではないか思います。

中国には「値段が安くて品質はそこそこのモノ」は
掃いて捨てるほどありますが、
「値段は高いが品質が抜群に良いモノ」は
まだまだ少ないのが現状です。

このため、
中国のお金持ちはおカネの使い道に困っており、
生活が豊かになったり、
自尊心を満足させたりするものに対しては、
外国で買うより高かろうがなんだろうが、
惜しみなくおカネを使います。

中国のお金持ちは高級品に飢えているのです。

先日、辞任直前の赤城農水相が北京に来て、
日本から輸入した高級米の
販売開始セレモニーをやっていました。

この日本産高級米、
コシヒカリは1kg約100元(1,600円)、
10kgにしたら16,000円です。
この値段は中国国産のお米の20倍とのことですが、
日本で売られているコシヒカリは
10kg7,000円前後とのことですので、
日本で買うコシヒカリと比べても2倍以上します。

当初は「こんな高い米、誰が買うんだよ」
と思っていたのですが、
予想に反して販売は絶好調、
第1陣24トンは第2陣の到着を待たずに、
3週間足らずで完売したそうです。

こうした事例を見ていると、
「値段は高いが品質が抜群に良いモノやサービス」
を提供することを得意とする日本人が
中国で活躍するチャンスは、
まだまだたくさんあるのではないか、
と思えてきます。


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2007年9月12日(水)

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