第772回
「中国の株式市場はバブルである」

度重なる中国政府の景気抑制策にも関わらず、
史上最高値を更新し続ける中国株。

しかし、先日、イギリスの
フィナンシャル・タイムズ紙はその社説で、
「中国の株式市場はバブルである」
との警告を発しました。

同紙によれば、中国の株式市場は年初比で約2倍、
100%高くなっているのだそうです。
その間の上場企業の利益は75%の増加とまずまず、
PER(株価収益率)は35-40倍とかなり高くなっていますが、
それでも合理的な範囲内である、とのことです。

しかし、この企業の利益は半分以上が不動産の売却益や
その他の投資による一時的な利益であり、
本業の儲けを示す営業利益ベースでは、
増益率は33%まで下がり、
PERも58倍まで膨らんでしまうので、
これはバブルである、
というのがこの社説の主旨です。

半年強で営業利益の増益率が33%というのは、
十分にすばらしい業績だと思うのですが、
将来の値上がりを見込んだ投機マネーの流入の勢いの方が、
そのスピードをはるかに上回ってしまっている、
ということなんですね。

私は中国経済が北京オリンピック、上海万博後も
順調に成長していくことについては、
何の疑いも抱いていません。
しかし、投機マネーが生んだバブルで
高くなりすぎた株価や不動産価格が、
実態に合った合理的な水準まで落ちる、ということは、
いつ起こってもおかしくはない、と考えています。


←前回記事へ

2007年9月28日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ