第771回
株式投資は自己責任

株式投資は自己責任。

これは個人投資家の
株式投資の歴史が長い日本では常識ですが、
一般庶民が株式投資を始めてまだ日が浅い中国では、
損失を自分の責任として受け止めることができない人が
まだまだたくさんいるようです。

先日も、遼寧省瀋陽市で
「財政部を爆破する」という脅迫電話をかけた
54歳の男が逮捕されました。

この男、最近の株式投資ブームに乗って一儲けしようと、
退職金を使って株式に投資しましたが、
投資したとたんに中国財政部が株価抑制策を発表、
株価が急落しました。
男は虎の子の退職金が株価の急落によって
大幅に減ってしまったことに対する
怒りと不安で夜もよく眠れず、
「オレがこんな目に遭っているのも、
全て財政部の株価抑制策のせいだ!」
と財政部を逆恨みし、
脅迫電話をかけるに至ったのだそうです。

分別盛りの54歳のお父さんがやることとは思えませんが、
減ってしまっては困るおカネで株式投資をする、ということは、
こんなにも人の平常心を奪ってしまうものなんですなぁ。

その後、中国の株式市場は完全に立ち直り、
アメリカのサブプライムローン問題に端を発する
世界的な信用収縮の流れを尻目に、
過去最高値の更新を続けています。

瀋陽のお父さんが買った株も、
お父さんが牢屋から出てくる頃には
随分含み益が出ているのではないでしょうか。


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2007年9月26日(水)

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