第799回
高く売ることを覚え始めた中国人

最近の北京は高級ホテルや
高級ショッピングセンターが続々と開業し、
ますます快適で便利な都市になりつつあります。

しかし、そうした快適さや便利さを
日常的に享受するためには、
少なくとも年収100万元(1,500万円)は
必要と思われますので、
一般庶民にとっては全く縁のない世界の話です。

私はよく「北京の物価は東京の1/4」と言いますが、
これはあくまでも一般庶民と
同等の生活をした場合の話であって、
高級ホテルで食事をしたり、
高級ショッピングセンターで買物をしたりしていると、
北京の生活費は東京のそれよりも
ずっと高くなってしまうのです。

こうした状況を見た、一部の利に聡い中国人の人たちは
「安いモノやサービスをたくさんの貧乏人に売るよりも、
高いモノやサービスを少数の金持ちに売る方が
利幅が大きいしリスクも小さい」ということに気付き、
「既にあるモノやサービスに付加価値を付けて
高い値段で売る」ということを覚え始めました。

例えば、中国のごく普通の家庭料理である
「宮爆鶏丁(ごんばおじーてぃん、
鶏肉とピーナッツの甘辛ソース炒め)」は、
その辺のきたない食堂では
12元(180円)がせいぜいですが、
内装がきれいで
服務員(ふーうーゆぇん、ウエイトレス)の
サービスが行き届いたレストランでは、
同じ料理でも38元(570円)と
3倍以上の値段が付いています。

「きれいな内装とサービスの良い服務員」と言えば、
以前は外国企業の専売特許のようなものでしたが、
最近では、中国人経営でも「付加価値を付けて高く売る」
というお店が増えてきています。

私は、外国人である日本人が
中国で起業するに当たっての最大のアドバンテージは、
「サービス精神」、「完璧主義」、「生真面目さ」など、
日本人ならだれでもが持っている日本人の特質が、
中国では大きな付加価値を生むことである、
と思っていたのですが、
今後「付加価値を付けて高く売る」ことを覚えた
中国人が増えてくると、
日本人が活躍できる範囲が
狭まってくる可能性もあります。

そうした中国の人たちに負けないためには
「中国人にはマネのできないことはなにか?」
ということについて、日夜、
頭が熱くなるぐらい考えなければならないのです。


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2007年11月30日(金)

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