第802回
中国に英語学習ブーム到来!

日本では英会話学校大手・NOVAの経営が破綻しましたが、
そのニュースを聞いていたら、
同校だけで受講生が約30万人もいるとのことでしたので、
改めて、日本の英語教育市場の大きさに驚きました。

かく言う私も、以前は商社で
オーストラリアの石炭を輸入する仕事をしていましたので、
日本にいた時にはNOVAにお世話になっておりました。

しかし、駅前留学ではなかなか英語力は上がらず、
オーストラリアに出張した際に取引先企業のオーストラリア人に
「15年間も英語を勉強してこのレベルか...」と絶句され、
大変悔しい思いをしたことがあります。

このように、海外に出張したり、海外旅行をしたりした時に、
私のような悔しい思いをした人が、
英語を上手に話せないことに対してコンプレックスを持ち、
それが日本の英語教育市場を巨大化させているのではないか、
と思います。

さて、オリンピックを来年、万博を3年後に控え、
国際化が益々進むと見られている中国でも、
英語学習がブームになっているようです。

従来は、「英語が話せると就職・転職で有利」
という理由で勉強する20歳代の若者が多かったのですが、
最近は、小さい子供が増えてきているようです。

高度経済成長で衣食住が満たされると、
次のおカネの使い道は子供の教育、
というのは万国共通のようで、
小金を蓄えた親たちは、
自分の子供を英語ペラペラの国際人に育てるべく、
幼稚園や小学校の頃から
ネイティブスピーカーの先生を付けて
英語を習わせるのだそうです。

ただ、先日、重慶市ではフランス語通訳の父と
英語教師の母の間に生まれた女の子が、
あまりに幼い時期にたくさんの言葉を勉強した結果、
失語症になってしまうという事件が起きました。

彼女は、父とはフランス語で、母とは英語で、
友達とは中国語で話していたのですが、
6歳になって日本語の勉強を始めた頃から
学校で4ヶ国語をごちゃ混ぜに話すようになり、
同級生から「宇宙人」とからかわれて
失語症になってしまったのだそうです。

確かに、語学の習得は頭が柔らかい
幼児期からやった方が良いとは言いますが、
自分がどこの国の人だか
わからなくなるような事態を防ぐためには、
やはり外国語の勉強は、
母国語をきちんと習得した上で
やらせた方が良いのかもしれません。


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2007年12月7日(金)

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