第803回
みなさん、毎日楽しくお仕事してますか?

突然ですが、
みなさん、毎日楽しくお仕事してますか?
納期、予算達成、経費削減、顧客からのクレームなどなどで、
プレッシャーを感じながらいやいや仕事してませんか。

私も以前、日本で仕事をしていた時には、
そうしたプレッシャーを常に感じ、
いつも何かに追われるように働いていました。
しかし、お給料をもらって仕事をするからには、
そうしたプレッシャーを受けるのは当たり前、と考えて、
何しろそうしたプレッシャーに負けないように、
必死になって仕事をしていました。

これが中国に駐在すると、
中国企業の多くの人たちはかなり危機的な状況に陥っても、
ほとんどプレッシャーを感じずに
仕事をしていることに気付きました。
彼らは普段は普通に仕事をしているのですが、
ちょっと予定外のことが起こると
プレッシャーを感じる前に
「没弁法(めいばんふぁー、どうしようもない)」
と言って諦めてしまうのです。

ある時は、船積する予定の船が
既に中国の港に到着しているのに、
肝心の石炭がまだ港に届いていませんでした。
何万トンもの大きな船を待たせることになりますので、
1日数万米ドルの賠償金が発生しますし、
日本の顧客に対しての納期も守れません。

私は焦りまくって中国の石炭輸出会社に何度も電話をし、
石炭が港に少しでも早く到着する手を打つよう要請するのですが、
同社の担当者は「石炭を積んだ列車が遅れているんですから、
没弁法じゃないですか」とへらへらと笑いながら言います。

挙句の果てに
「柳田さん、会社の送迎バスが出てしまうので、さようなら」
と一方的に電話を切られてしまいました。

1日数万米ドルもの損失が発生しているというのに、
どうしてこの担当者はへらへらと笑っていられるのか、
どうして会社の送迎バスの方を優先できるのか。
当時の私にはこれが理解できませんでした。

日本の常識からすれば無責任極まりない対応ですので、
私は憤懣やるかたない気持ちだったのですが、
一方で「こんな非常事態に遭遇しても、
全くプレッシャーを感じないでへらへらしていられたら、
仕事って楽しいだろうな」とも思いました。


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2007年12月10日(月)

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